交通違反で切符にサインをしなくてもいいのか
警察官から交通の取り締まりを受けて、サインをしない人って時々います。いるんです。ですけど、私はサインをするべきだと強く思うんです。それっていうのは、その人のアイデンティティにも関わることです。嘘をつくことになるからです。
テレビでもよく、犯罪を犯して逃げている人が紹介されています。人を殺しておいて、ドロボーをしておいて、捕まりたくないものだから逃げいている人。指名手配になっている人。そういう人をテレビやネットで見て、「卑怯だな」とか「人間として許せないね」なんて思うことはありませんか? 今までそんなニュースを見たり聞いたりして、「自分だったらそんなこといはしないな」と思うことはありませんか?
交通取り締まりを受けてサインをしないということは、そんな犯人をこの先、笑えないことになります。そんな犯罪人を反面教師として見ることができないことになります。なぜなら、サインをしないということは、彼らと一緒になってしまうからです。罪を犯して逃げている、ということで何ら、彼らと変わらない存在になってしまうんです。
もしあなたに子どもがいるのなら、子どもに対しても「嘘をつくな」とか「悪いことをしたら正直にいうこと」なんて言えなくなります。なぜなら、あなたが嘘をついているのだから。なぜなら、あなたが正直に言っていないのだから。
交通取り締まりを受けるということは、警察の勘違いではありません。おそらく大部分は、違反者が意固地になって交通違反を認めていないだけです。だから、結局は「自分に正直になった方がいいですよ」ということになります。警察が見間違えるわけがないんです。だって、ハッキリとわかるんですから。見えるんですから。見間違えようがありません。車のナンバーも、運転している人間も。携帯電話であれば、使っている携帯電話がどんな携帯電話なのかも。何もかも分かるんですよ。一回、道路で車を止めて、顔を上げて周りを見てみればいいと思います。意外と交通違反が多いことに気づきます。意外と交通違反は見つけられることに気づきます。結構、自信を持って違反だと言えることに気づきます。
だから、「意固地にならないで正直になれば」というのが私の意見です。一回、嘘をいうと癖になります。一回、逃げてしまうと、逃げたことがある、という事実から逃げることができなくなります。一回やってしまうと、後戻りができなくなるんです。
何のことはない。たかだか交通違反です。認めたからと言って、サインをしたからと言って、人生に負けたわけではありません。確かに「サインをしたくない」という気持ちはわからないでもないです。「警察官の言い方が気に入らない」とか「他にも違反者がたくさんいる中で、自分だけが取り締まりを受けるのが納得できない」という気持ちもわからないでもありません。
ですが、そこは気持ちの持っていきようです。大人になるべきところでしょう。「すいませ〜ん」なんて軽口叩いてサインでもしてやればいいんです。「ごめんねえ」なんて言って、自分の名前を書いてやればいいんです。そうすれば逃げていることにもならず、交通違反をしたことはリセットされます。なぜなら、ちゃんとした形式で罪を清算しているからです。逃げずに受け止めて、自分がやったことと正面から向き合っているからです。
それを、サインをしなかったり、違反を認めないから、おかしな話になるんです。話がややこしくなるし、状況がこじれるんです。
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