射撃はむずかしいぜ〜アメリカンスナイパー

2019.08.07 (水)

 

アメリカンスナイパーという映画をDVDで観た。近所の蔦屋書店で借りてきたもので、そのレンタルショップでは、ロングセラーの棚に置かれていた映画だ。私は本なり映画なり、世間とは感覚がズレているようで、なかなか世間で「面白い」と言われたものを素直に「面白い」と感じることが少ない。逆も同じで、世間で「面白いくない」と言われているものを素直に「面白くない」と感じることも少ない。

 

 

では、蔦屋書店でロングセラーとしてレンタルされているこの映画はどうだったのか。面白かった。この作品は、素直に「面白かった」と言える。おそらくストーリーがシンプルだったからだと思う。ただ単に、戦争もので撃ち合いをバカスカやっているだけでもなく。かといって、センチメンタルな方向に舵を切りすぎることもなく。適度に戦争物のアクションもあり、適度に家族愛的なところもあり、ちょうどいいあんばいで、線を張っていたのではないか。

 

 

さて、射撃の話をしよう。私は警察官の経験があるので、銃を撃ったことがある。日本では目面しいのだろう。海外で観光客相手に射撃をさせてくれるところにでもいかない限り、銃を撃ったことがある人は珍しいだろう。ああ、それと猟銃を撃ったことがある人はいるかもしれない。山で鹿や熊やキジを撃つ猟をすることである。

 

 

警察官が持っている銃は、一般的には拳銃である。手のひらサイズの銃、それが拳銃である。確かに片手の掌の上に乗せて持つことはできるが、ずっしりと重さを感じるくらいではある。これを一日中、腰につけているのだから、警察官は腰が痛くなるし、姿勢が悪くなる。どうにかならないものか。

 

 

アメリカンスナイパーに出てくるような狙撃用の銃ならともかく、片手で撃てる警察官の拳銃は、操作がむずかしいところが少しもない。出して、構えて、照準を合わせて引き金を引けばいいだけだ。何も特殊な操作は一切ない。照準を合わせるところが難しいか? いやそんなことはない。目が見えれば、誰だって照準は合わせられる。なのに、なのに、だ。どうして銃は当てるのがむずかしいのだろう。この銃の難しさ。撃ったことがない人にはわかるまい。時間制限があるからむずかしいのか? ぱっぱぱっぱと撃たなければならないから難しいのか? いや、時間は関係ない。たとえ時間がたっぷりとあったとしても、私には全弾を的に当てられる自信はない。時間に関係なく、射撃は難しいのだ。

 

 

何が難しいのか。それは、精神的なものだ。銃というのは、フィジカル的に難しいということはない。問題は、精神的なものなのだ。どういうことか。ビビってしまうのである。驚いてしまうのである。引き金を引く瞬間、火薬が爆発する音や衝撃が頭をよぎり、そんなわずかな心の揺らぎが、指先に伝わって、せっかく合わせた照準をブラせてしまうのである。

 

 

狙撃用の銃ならば、構えるまでに何かとセッティングがあるだろうと予想される。拳銃には、そんなセッティングは皆無。強いて言えば、撃鉄を起こすことくらいか。撃鉄を起こすと、銃弾の火薬部分に衝撃を与える部分がセットされる。そうなれば、わずかな力で引き金を引くことができる。

 

 

その状態で照準を合わせる。照準を合わせるとは、銃の先にある照星と言われる凸型の部分と、銃の手前側にある照門と言われる凹型の部分を平行にすることだ。目が見えれば誰でもできる、照星と照門が平行になっていれば、それは照準が合っている、ということ。残された操作は、引き金を引くのみ。

 

 

だが、ここに来て、間違いが起きやすいのだ。というのも、指先がぶれることなく、照準が合わさったままで、ビビることなく、引き金を引くことができる人は、滅多にいない。というか、それが銃の難しさなのだ。照準を合わせたままで引き金を引くことができるかどうか、それが銃をうまく撃てかどうか、という分かれ道の全てなのだ。

 

 

照準を合わせたままで引き金を引くことは難しい。なぜなら、火薬の爆発の衝撃や爆音を、体や脳が覚えているから。「あと数ミリ、人差し指を手前に引いたら、あのドカン!という衝撃と爆音がやってくる」という感覚が、指先を鈍らせるのだ。せっかく合わせた照準をズラすのだ。

 

 

「そうは言っても、何回も射撃をやって、何回も衝撃を受けて、何回も爆音を聞いていれば、体も脳も慣れて、意に介さなくなるだろう」と思う人もいるかもしれない。いやいや、そんなことはない。街を歩いていて、先の見えない交差点を曲がったところ、急に大きな犬が現れ、大声で吠えたとする。そんな時に少しもビビらない人などいないだろう。夜に家に帰ってきて、ドアを開けたらお化けが出てきた、なんてシチュエーションになったら、誰だってビビるだろう。こんな、急に犬やお化けが出てきても、少しも動じない人。眉一つ動かさない人。一ミリも心が揺らがない人。そんな人が、射撃や銃が上手い人なのだ。

 

 

だから、フィジカルな面よりも、精神的な面が重要なのだ。警察で拳銃は、柔道や剣道と同じく、武道と位置付けられている。うまく撃つには、精神的な鍛錬が必要だからだ。

 

 

そんな、むづかしい射撃を、アメリカンスナイパーに出てくる何人かは、とてつもなく上手くこなしている。精神的に強いからだろう。この主人公も回想シーンで、父親から「射撃の才能がある」ということを言われていたシーンがあった。射撃には揺らがない精神が必要で、だから難しいし、「才能次第」と言われるのかもしれない。

 


 

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