「優しさを出せるかどうか」は、自己中が原因にある

2019.08.08 (木)

「声をかけたいのに声が出ない」

 

 

そんな思いをしたことはないだろうか。例えば電車の中で。何気なく電車の中の席に座っていたとする。自分が電車に乗り込んだ時はそれほど混んでもいなかったので、あまり深く考えずに席に座ってしまった。ところが電車が走り、だんだん賑やかな駅に近づくにつれて、電車に乗り込んでくる人が増えてきて、電車内が混んでくるわけだ。初めは余裕があって座っていたのに、徐々に余裕がなくなってくる。初めは十分なスペースがあって席に座っていたのに、徐々に十分なスペースがなくなってくる。それどころが、「座っている自分がもしかしたら悪いことをしているのではないか」「年寄りでもないのに座るなんて、卑怯なのではないか」と思えてくる。

 

 

と、そんなところへ。運がいいのか悪いのか、腰の曲がったお年寄りが近づいてくる。そのお年寄りは、電車に乗り込んだ直後、周りを見渡しはしたが、空いている席がないとわかると、立つことを覚悟したように、自分が座っている席の真ん前に立って、何かしら我慢するような雰囲気になった。

 

 

さて、あなたにはいくつかの選択肢が目の前に出されたわけだ。そう。目の前のお年寄りに席をゆずるかどうか。おそらく、多くの人が「譲るのなんてどうってことない」と思っているだろう。私もアラフォー世代だが、立って電車に乗ることくらいはなんてことないと思っている。多くの人が、立って電車に乗ることくらいは屁でもないと思っているだろう。

 

 

ところが。ところが、である。実際に電車内を見渡すと、電車の席に座っている「お年寄りでない者」がとても多い。私はもちろん、お年寄りになったことがないから分からないのだが、お年寄りは電車の揺れが体にきついのだろう。だからせめて、お年寄りでない者は電車くらい、立って乗るものだと思っている。

 

 

なぜ、それほど電車に立って乗ることが苦でもない世代の人間が、これほどまでに電車の中で座っているのか。なかなか目の前のお年寄りに席を譲れないのか。それはひとえに「勇気の問題」だと思っている。勇気があるかどうか。声をかけられるかどうか。一瞬、周りから注目されることを受け入れられるかどうか。そんなところが問題なのだと思う。

 

 

おそらく多くの人が、心の中では「席を譲ってやりたい」「席を譲るくらい、構わない」と思っているだろう。けれど、実際には席をゆずることができていない。それは注目されることへの恥ずかしさなんだろう。一瞬、ほんの一瞬でも、電車の中で「どうぞ」と声を上げれば、周りに響いてしまう。その言葉は誰もが言いたくて、それでも言い出せない言葉なので、もしも電車内で発せられれば、多くの人の気を引いてしまう。そんな言葉だ。

 

 

もしも注目を浴びた中で、「年寄り扱いするな」とか「立っている方が楽なのでいいです」などと断られたら、恥ずかしい思いをすると考えているのだろう。何も恥ずかしいことはない。立派なことじゃないか。なのに、大勢の人間から見られることを躊躇するばかりに、人に対して「どうぞ」の声をかけられなくなっている。勇気がないばかりに、優しさが社会から影を薄めているのだ。人目を気にしているのだ。複数人から注目されることを拒んでいるのだ。

 

 

気持ちが分からないでもない。誰だって、人前に出ることは、あんまり気が乗らないものだ。子どもよりも、むしろ大人の方が気が乗らないかもしれない。人前で赤っ恥をかかされる経験をしている分、そんな過去がハードルになって、声をかけようとする自分を抑えているのかもしれない。

 

 

ただ、実際はそんなことはないんだよね。必要以上に自分を意識しているだけで。何か、恥をかいてしまえば、その恥は人々の記憶に永久に残り続けるかのように思ってしまうけれど、一瞬なんだ。だいたい、「全米大ヒット」とか「全米が泣いた」と言われる超有名な映画でさえ、次の日になれば、その感動を忘れているものだ。なのに、日常の中のほんの一コマである赤っ恥を、誰がそんなにも覚えているだろうか。

 

 

これも結局は、他人と自分との認識のズレ「自己中(であることに気づいていない)」が、原因にある。そんなに自分といのは、目立つ存在ではない。自分も相手もみんなフラットで、自分が相手をすぐに忘れてしまうように、相手も自分をすぐに忘れてしまうものなのだ。

 

 

やはり「優しさを出せるかどうか」は、自己中(であることに気づいていない)が原因にある。

 


 

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