誰がアパレルを殺すのか 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
「服を買う」行為についての本です。
アパレルという業界がこれまで、いかに歪んだ業界だったのか。「服を買う」という行為が、いかに歪められていたのか。ブランド物の高価な服を無理して買っていた時代がいかにおかしかったのか。本書を読んで、私にはそれが印象的でした。
本書を読んで安心しました。違和感を持っていたのは自分だけではなかくてよかったです。本書にはアパレル業界の人のインタビューがありますが、多くの人間がこぞって高価なブランドを買う行為をアパレル業界の人も「どこかおかしい」と思っていたと知って安心しました。
私も10代や20代の前半に、無理に高価なブランドの服を買っていた時期がありました。街に出かけて、ブランドの知名度優先で服を買っていました。自分に似合うかどうか、商品に見合う価格なのかどうか、きちんと着られる服なのか、なんて気にしないで買っていました。
「気にしないで」というより、「気にする自分は時代についていけていない」のだと思っていました。服とはブランドを気にして買うものなのだと自分に言い聞かせて流行の服を買おうとしていたのです。
私が通っていた高校には制服がありませんでした。私服で通学し、私服で授業を受けていました。10代の多感な時期だったこともあり、人目を気にして「いい服を買う」ことに敏感になりすぎ、小遣い以上の服を求めていました。
ですが、やはりあの時代がおかしかったのです。自分も服で着飾りたくて、結局は踊らされていただけだったのです。価格や自分に見合わない服を買っていた行為が、時代に歪められら行為だったようです。
「自分に似合う服かどうか」や「相応な値段の服か」が始めに考えて、その後で「生地はしっかりしているか」「流行はどうか」を考えるのが、当たり前の「服を買う」という行為なのでしょう。
「服を買う」行為について考えさせられる一冊です。
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