アップルウォッチは車好きのための弁護士だ。運転とスマホ、二人の間の溝を埋めてくれる。

2020.08.16 (日)

アップルウォッチをつけて3年になる。アップルウォッチの便利なところをあげよう。毎年毎年、アップルの新製品ってのは世に出されていて、その度に「買おうかどうか」と迷っている人がいると思うので、少しでもそんな人たちの助けになればと思う。

 

世の中には「車好き」という人種がいる。車に乗って運転することや、車を所有することに快楽を見出す人たちだ。僕はそんなに車が好きではないし、どちらかというと車が嫌いではあるのだけれど、車好きの人たちの気持ちがわからなくもない。

 

 

確かに車というのは男心をくすぐる塊。男の気を引く引力の中心なのだ。女性に生まれたことが無いのでこの「車にひかれる」気持ちが女性にもあるのかどうかはわからないけれど、男であれば間違いなく車にひかれる気持ちとを、どこかに持っているだろう。

 

 

車というものは、工業製品の中で、男心をくすぐる3本の指に入る。見ていてよし、乗ってよし、所有してよしだ。見ていても飽きないし、乗って運転しても気持ちがいいし、所有すれば整備したくなるしガレージなんかに置きたくなるし。「よくもここまで男心をくすぐる工業製品を創り出すことができた」と感心するほどだ。

 

 

本来であれば運転とは気持ちの良いものであるが、その中で気持ちよさを乱すものは何だろうか。ハンドルを握って、窓からの通り過ぎる風景を眺めて、音楽でも聞いている時に、その快楽を乱すものがあるとしたら何だろうか。

 

 

そう、スマホである。運転という快楽を断ち切るとしたら、それはスマホなのだ。

 

 

僕たちの生活はいまや、スマホなしには成り立たない。それは運転しているときも例外ではない。運転という快楽に身を委ねているときでさえも、俗物的なスマホから逃れることができない。

 

 

職場からの電話があるかもしれない。家族からのLINEがあるかもしれない。友人からのメッセンジャーがあるかもしれない。そう思うと、運転といえどもスマホは手放せない。いつでも取り出せるように、すぐ近くに置いておかざるを得ない。

 

 

別に車とスマホの相性が悪いわけではない。車とスマホ、2つを並べてみても悪くはないし、どちらも写真映えするものだ。ただ問題は、運転中にスマホを操作すると道路交通法違反になる、ということだ。警察に捕まってしまうかもしれないし、交通切符を切られるかもしれないし、場合によっては逮捕されるかもしれない。

 

 

本来、車とスマホは似ているもの。どちらも表面はツルリとした光沢があるし、未来的な雰囲気のする工業製品。車に寄りかかってスマホの操作をする姿なんかは、絵にもなるだろう。

 

 

ただ、運転中のスマホ操作が交通違反なのだ。

 

 

運転中のスマホ操作が交通違反になるのはもっともで、これは運転とスマホ、どちらも集中を要するからである。

 

 

運転は危険だ。何秒というごく短い時間のうちに、何十メートルも進んでしまう。1秒間に進む距離は、時速30キロで8メートル、時速60キロでは16.7メートルにもなってしまう。この距離は、人をはねてしまうのには十分な距離だろう。

 

 

ゆっくりと走っている時速30キロでも、一秒間に8メートルも進んでしまう。一瞬でも目をそらしていれば、遠くにいたはずの人影にすぐに追いついてしまう。運転は集中を要する。

 

 

スマホも集中を要する。というか、その気がなくても集中させられてしまう。もちろん、面白いゲームアプリなどもってのほかで、始めれば30分や一時間なんてあっという間だ。スマホは面白くないものでもあっという間に時間が過ぎてしまう。

 

 

電話やLINEなんかがそれ。電話に出れば会話に神経を持っていかれて、本来道路状況なんかを気にすべき集中をスマホに注いでしまう。LINEも、相手の文章を読んだり自分の文章を考えることに意識を持っていかれて、本来安全確認をすべき意識をディスプレイに注いでしまう。

 

 

だから、運転とスマホはどうにかして遠ざけねばならない。人間の意識は1つなわけで、集中の対象も一つに絞らなければならない。そうでないと破綻してしまう。二股が破綻の原因になるのと同じ原理。車とスマホの相性は、見た目的には決して悪くはないのだけど、どちらも集中を要するために、2つ同時に使用することができない。異性関係と同じで、2つは破綻を招く。

 

 

で、その穴を埋めてくれるのが、アップルウォッチである。車とスマホの間の深い溝を埋めてくれる。破綻の原因を取り持ってくれるのだから、例えれば弁護士のような存在か。

 

 

というのも、アップルウォッチの一番のいいところ、というか唯一の良いところは、スマホを出さなくても電話に出たりLINEを確認できたりするところだからだ。

 

 

運転中にスマホで話せば交通違反だけれど、アップルウォッチで話す分には交通違反にならない。手首を自分の側に少し返して話すだけだ。スマホを取り出せない場面で電話に出られるのがスマホの一番の利点なのだけれど、「スマホを取り出せない場面」とは、すなわち運転中である。アップルウォッチの一番の利点は運転中にこそ発揮されるもの。アップルウォッチとは、運転を愛する車好きのために生まれてきたようなものなのである。

 

 

さらに、メールもLINEも、内容をアップルウォッチで確認することができる。もちろん、すべての内容を確認することは出来ない。全文をアップルウォッチの小さなディスプレイには表示できいない。アップルウォッチのディスプレイに出てくるのはメールやLINEの初めの方だけだ。

 

 

けれどこれでいい。というのも、大方の方向は、メールやLINEの初めの方を見ればできるからだ。すぐに返したほうがいいのか。それとも後でで良いのか。メールの内容によっては方向を知ることができれば、あとは運転中に考えることもできる。

 

 

この「大方の方向」がわからないために、アップルウォッチを持っていない人は、運転中に無理してスマホを取り出してディスプレイを見てしまう。ディスプレイに集中を持っていかれてしまう。「ほんの一瞬だけ」という気の緩みは2〜3秒の集中を持っていってしまう。距離にして数十メートル。行き着く先は、警察の交通違反切符だったり、交通事故である。

 

 

アップルウォッチの一番のメリットは、運転中にスマホを取り出す必要がなくなることだ。運転とスマホの間の溝を埋めてくれる。優秀な弁護士がそうであるように、うまく溝を埋めてくれれば、埋められた溝は2つの関係をより強固なものにしてくれる。

 

 

運転中にアップルウォッチを使用する絵は、おそらく車好きの人種との相性もいいだろう。運転中のアップルウォッチの使用が格好いいということだ。もしも車が好きなのであれば、運転が好きなのであれば、迷わずアップルウォッチを手に入れるべきだと言える。

 

 

何度も言うようでなんだけど、僕自身は車も運転も嫌いではあるのだけれど‥。

 

 


 

 

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