構造主義が、犯罪のない世界をつくる

2020.10.17 (土)

犯罪をなくすには、他人に対する思いやりが必要だ。

 

 

それは自分の世界を外から眺められるようになることでもある。最近よく聞く言葉でいうと「多様性」だ。多様性というと、どこか安っぽくなってしまうけれど。「他人の価値観も理解しよう」「自分の世界だけでなく、他の人の好き嫌いも想像できるようになろう」というもの。

 

 

人に対する優しさは、その人を理解することで初めて可能になる。

 

 

今僕は「弱虫ペダル」にハマっているのだけれど、ハコガクの荒北を思い出してほしい。

 

 

 

荒北は今でこそハコガクのゼッケン2番を背負っているけれど、つい2年前までは不良だった。部活にも入っておらず、授業を抜け出し、高校を「面白くねえ」と言って退学しようとしていた。

 

 

そんな時に出会ったのが自転車だった。福富だった。ロードレースだった。誰にでも優しさの片鱗もない態度で接し、他人を理解しようとすらしなかった荒北。誰にでもケンカ口調で、「やってらんねーぜ」という素行の悪い荒北は、自転車と出会って変わったのだ。

 

 

「自転車なんてダセーだろ」と言っていた荒北。それまでの荒北は、ロードレースという世界観を持っていなかった。普段乗るママチャリというイメージしかなかったため、移動手段としてしか自転車を見られていなかった。けど自転車の中にもロードレースという区分(文節)があるのを知って、ロードレースに対して理解を示すようになった。

 

 

それまで自転車をバカにしていたのだけれど、自転車の世界を知ることにより、バカにした態度をとらなくなったのだ。

 

 

他人の視点を理解する、というのが優しさには必要だ。元陸上選手の為末大さんは、これを「『同じものを他人が見るとどう見えるか』を知ること」と言っていた。自転車を見る視点が、荒北と福富では違っていたのだ。

 

 

著者でコンサルタントの細谷功さんは、これを著書「やわらかい頭の作り方」の中で「目に見えない構造」と言っていた。多人数との関係性のことだという。自分と他人(一人)の関わりを「関係性」というならば、自分と多数の他人との関わりを「構造」というのだという。

 

 

 

 

社会の中の自分というのを意識することだ。自分も所詮は、数ある社会の中の一員でしか無いことを意識すること。世界中の人と友達になれば犯罪はなくるが、他人と友達になるには、他人を理解する事から始めなければならない。

 

 

小学校のころ、他校の人間を不思議な存在だと思っていた。小学生の僕にとっては、自分が通っている「学校」こそが小学校であって、他の建物は小学校ではなかった。他の小学校を見て、どこか不安な気持ちを持っていた。

 

 

薄暗いように見えるし、建物の中に何があるのかもわからない。出入り口のあの暗い奥がどうなっているのか想像ができなかった。

 

 

けど、いざそこの小学校に通う同学年の児童と仲良くなってみると、その小学校への暗いイメージはなくなった。想像できるようになったのだ。自分とは違う、その建物の中で生活する自分と同じような小学生の姿を。

 

 

 

通っている学校、生活している建物は違うけれど、おそらく自分と同じように授業をしている。見た目は違うけれど、自分たちの小学校と同じように教室があり、保健室があり、音楽室があり、理科室があり。給食だって食べるし、運動をする校庭もある。体育館だって校長室だってある。

 

 

学区が違って場所が違って環境が違う。空気だって違う。けれど、そこにも生活の場所があって、自分と同じように、自己を認識している多数の児童がいる。

 

 

他校に友達ができるとともに、他校に対する不安な気持ちが無くなていった。他校に対する薄暗いイメージがなくっていって、薄暗い奥の教室を想像できるようになった。というか薄暗ささえ晴れていった。

 

 

他人に対して優しくなるとは、視野が広がることを意味する。主観でしか見られていなかったものを、主観を見るもう一つの目でもって見られるようになる。一歩引いた場所から、自分を含めた全体を眺められるようになる。

 

 

それまで馴染みのなかった世界に触れることができれば、そっちの世界に理解を示せすことができるようになる。荒北も自転車に触れて理解を示した。

 

 

警察官は人から嫌われる職業だけれど、実際に警察官になってみると「警察も警察で大変だよ」と理解を示せるようになる。身内に警察官がいると、警察に優しくなれるのもその好例だと思う。

 

 

犯罪をなくすには、思いやりや優しが必要だ。

 

 

そのためには構造を理解する必要がある。自分たちがいる世界が多の中の一つに過ぎないことを認識することだ。この世に多数の宇宙があるように、自分たちの世界だけが唯一の世界ではないことがわかれば、そっちの世界にも理解を示せるようになれる。

 

 

「あっちの世界に住む者は人間ではない」なんて中世のような考えがなくなれば、侵略や戦争もなくなるだろう。一歩引いて見ることが必要なのだ。自分を取り巻く社会のからくり(構造)を見ようとすることが必要なのだ。

 

 

それが多様性に対する理解だし、思いやりであって優しだ。多様な価値観に触れること、良いも悪いも、できるだけ多くの世界をみること。それが多様性に対する理解を生み、自分が多の中の個であることを認識する。犯罪のない社会をつくることができる。

 

 


 

 

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