そのロボットに電池はセットされているか。なぜ子育てに主体性が大事なのか

2020.05.05 (火)

なぜ子育てに主体性が大事なのか、それは全ての能力の源だからだ。主体性とは「やる気」と言い換えていい。やる気があれば何でもできるし、やる気がなければなにもできない。アントニオ猪木である。

 

 

子どもに身に着けてほしい能力やスキルを列挙してみる。

 

 

コミュニケーションスキル、英会話、数学、元気、体力、国語力、作文に対する苦手意識の無さ、優しさ、遵法精神、真面目さ、リーダーシップ、プログラミングスキル、水泳、言語化力、プレゼンスキル、根性、商業魂、サバイバルスキル、読書習慣、芸術性、想像力、活発さ‥‥。

 

 

これらのほとんどが、身に着けようとした場合に主体性が必要なのだ。主体性は、パソコンでいうOS(オペレーションシステム)とも言われている。パソコンには様々な機能やアプリが入っている。サイトを見るブラウザ、ワープロ、写真、カレンダー、動画視聴、カメラ、SNS、地図、家計簿‥‥。これらを動かす元の機能がOSである。

 

 

何事も自分から進んでやることほど、身に付けられるものはない。

 

 

例えば言語化スキル。僕は毎日文章を書くことを日課としているが、おそらく文章を書くことが苦手な人は、社会人でもたくさんいるはずだ。僕がこの文章を書くスキルを身に着けたのは、言語化することで頭の中が整理され、整理されることでの解放感が半端なく気持ちよかったからだ。

 

 

加えて言語化することで、自分の考えを人に発信できるようになった。自分の考えを人に伝える手段が増えたので、自分の思い通りに世の中を動かせる幅が増えた。

 

 

ただ、僕も文章化するスキルを習慣を身につけたのは最近の話だ。少なくとも小学生の時は、作文を書くのがイヤでしょうがなかった。どうして長い文章を書けるクラスメートがいるのか、書ける人はどうして嫌がらずに書けるのか、不思議でしょうがなかった。

 

 

これはやる気の問題だった。卵と鶏の関係と同じでどっちが先かはわからないが、やる気がないから書けないし、書けないからやる気が出なかった。それなのに、社会人になって考えを文章にすることの有意義さに目覚めてからは、途端にある程度のまとまった量の文章も書けるようになった。やる気を持つと、身につけるのに苦労しない。

 

 

英語もやる気の問題だと言われている。僕たち日本人は、中学校から大学まで英語を勉強するのに、プラスアルファで勉強しなければ英米人と話をすることができない。学校教育だけでは英語を身に着けられないのだ。英語を話せる人は、学校教育以外に必ず何かしらの自主勉強をしている。

 

 

英語を話せるようになるには習慣だと言われていて、英語を話さなければならない環境に置かれれば、誰でも話せるようになるという。英語を話さなければならない環境に置かれた人が英語を話せるようになるのは、やる気があるからだろう。

 

 

英語を離さなければ生きていけないのだ。英語を話さなければ生活が何もできないのだ。給料だってもらえなくなるかもしれない。ハングリー精神が違う。自分から外国人に話しかけるようになるし、自分から英語の教科書を読むようになる。

 

 

ロボットを動かす電池と同じかもしれない。動かすにはやる気というエネルギー源を体にセットしなければならないのだ。

 

 

やる気は継続力をも引き出してくれる。物事やスキルを身につけるには、継続が大事だ。筋トレもそうだし、勉強もそうだし。1日や2日腕立て伏せを100回やったところで筋力はつかないだろうが、それを3ヶ月続ければ確実に体つきは変わる。

 

 

英単語も同じで、いつでも引き出せるように頭に刷り込むには、繰り返しのトレーニングが必要になる。毎日つ少しづつでいいので、継続してこそ力になる。

 

 

漫画SLAM DUNKでは「飽くなき反復練習」という言葉が使われていた。

 

 

海南大付属高校のシューターである神宗一郎は、高校に入りたての頃、シューターとしての片鱗を持たない選手だった。その神が海南のスターティングメンバーの座を射止めるだけのスキルを身に着けたのは、生まれ持っての才能でもなんでもなく、バスケットボールをリングに向かって放る、つまりシュートを打つという繰り返しによってなのだ。

 

 

もしも主体性という電池が体に積まれていなかったなら、神は飽くなき反復練習なんてできなかっただろう。シューターとしての片鱗を持たない選手で終わっていた。湘北と対戦するまでに至っていなかった。単体のすぐに終わる練習ではなく、飽くなき反復練習にまで持っていくには、主体性が必要なのだ。

 

 

ちなみに、主体性とは自分から進んでやることなので、主体性が発揮されるのは、自分が好きな分野限定である。好きでもない分野でも主体性を発揮することは不可能ではないが、それは「好きでない」や「嫌い」が「好き」に変わってからの話である。「子どもの好きを優先する」ことの意義はここにある。

 

 

自分が好きなことでしか、やる気は起きない。「好き」とは幅広い意味を持つ言葉で、「意義を感じている」「メリットになると思っている」「必要性を感じる」でもいい。気持ちを奮い立たせ、体を動かすには主体性という電池が必要なのだ。

 

 

電池の入っていないロボットであれば、人間が手足を持ってロボットを動かさなければならない。これは、やる気のない子どもにムリに勉強をさせようとしている親と一緒である。電池の入っていないロボットを動かすのは面倒だし、動かすには外部にエネルギー源がなければならない。自ら歩くロボットか、手足を持って動かさないと歩かないロボットかの違いである。

 

 

 


 

 

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