ブラック・フライデーにミニマリストの気持ちが揺らぐ
黒いパンダ。
今日、近所のイオンに行ったら黒色の広告だらけだった。天井にも商品棚にも、黒を背景とした世界の中で黒色のパンダが踊っている。本来は白色と黒色であるはずなのに、体のほとんどが黒色のパンダ。目のところは白色1色になっている。白色のサングラスを掛けているように見えて、「かわいい」というよりは少し「おっさん」のように見える。
このパンダは金色の紙袋をいくつも手に掲げている。「ブラックフライデー」の文字も金色に光っている。黒色の世界、目のところが白色の黒色のパンダ。その中に金色の紙袋の「ブラックフライデー」の文字は確かに映える。金色の文字で描かれた部分だが、希少で価値あるもののように思えてもくる。デザインの妙。
僕は基本、ミニマリストだ。物は身の回りにできるだけ置きたくないし、もしもどうしても置かなければならない物があるならできるだけシンプルにしたい。好きなメーカーとかブランドは無印良品、アップル、ユニクロになる。
どうしてミニマリストなのかというと、物が身の回りにないことの爽快感がやみつきになったからだ。シンプルな設計のアイフォーンに誰もが憧れるのと同じだ。アップルのシンプル感、無印良品の飾らない感、ユニクロのすっきり感がわかる人なら、ミニマリストという生活スタイルもわかると思う。これらのコンセプトがそのまま空間に転移しただけ。無印良品、アップル、ユニクロ。これらの世界観の中で生活したい。生活している。ミニマリスト的な生活スタイルとはそんな感じのものなのだ。
ミニマリストではあるのだけれど、「そんなに自分は芯が重くない」と思う時がある。。気持ちが動かされる時があるからだ。「ミニマリストがいい」とは思うのだけれど、1年24時間思っていられるわけでもない。気持が揺れる時がある。イオンに行ったときなどはそう。
黒いパンダ……。
これが出てきて、ついついミニマリストとしての気持ちが揺らぐ。デザインとはすごい。人の気持ちを揺り動かす。地面から生えている固いブロッコリーを揺り動かすかのようだ。故にこれを考えたデザイナーも大したものだ。僕もデザイナーについつい揺り動かされた。
考えてみれば、ツイッターを見ていても「買い物」というワードが並んでいたように思える。「〇〇買いましたあ」とか「ついにこんな物を手に入れましたあ」と、買い物の話をしないような人でも、「この機会に買ってきました」なんてツイートをしている。あのツイートは何のことはない、ブラックフライデーの話をしていたのだ。
このブラックフライデーは、どこかハロウィンと同じ匂いがする。アメリカの消費文化臭さ。一時代前の文化の匂い。「買わせよう」「買わせよう」とする香り。世界の多くがが経済の勢いを疑うことなく信じていた時代のアロマ臭。
今ウィキペディアで調べてみたんだけれど、やはりアメリカ発祥の文化らしい。ブラックフライデーは。極東に位置する日本で、ここ数年で急に市民権を取っていった。
僕はミニマリストなので、買い物にも一応の自己流がある。信念というほど大げさなものではないけれど、それに似たものを持っている。
合わさせて買わない、というものだ。買うタイミングは自分で決める。安売りに合わせない。
クリスマス、初売り、決算期、そしてブラックフライデー。世の中には安売りのタイミングというものがあるけれど、そのタイミングに合わせて物を買うのは損だと思っている。というのも、本来であれば買わなくていいようなものまで買ってしまうからだ。
今回のブラックフライデーもそう。「安売りだから」と言う理由で買おうとすると、値引きされた金額を広げようとして、「買ったほうがお得」感が出てくる。
結局は、買わない方が自分にとっては一番オトクなのだ。小売店側の安売りのタイミングに合わせようとするのではなく、買うのは自分のタイミングであったほうがいい。その方が不必要に買うのを避けられる。
買いたい物は自分のタイミングで買う。「どうしても欲しい」と思った時に買う。たとえ安売りの時期でなくとも。そうすれば「買ったほうがお得」という気分にもならないので、「買えばお金が減る」という背徳感の中で買い物をすることになる。余計なものを買わずに済む。ミニマリストの買い物心構えだ。
ただ、いくらミニマリストと標榜していても気持ちまで完璧にコントロールできるわけではない。犯罪者が犯罪を重ねるのはドーパミンの分泌によるもので、脳内物質の分泌を気持ちで抑えるのができないように、僕も脳内の快楽物質が出てくるのを「ミニマリストだから」という気持ちだけで抑えることはできない。
買いたい衝動はあるし、その衝動がデザインとの闘いを強いられる。モノクロの背景の中で、金色の紙袋と「ブラックフライデー」の文字はよく映える。ネットで調べてみたけれど、ブラックフライデーのセールは明日までらしい。「明日も買わずに過ごせるかな」という不安と「明日が終われば」という安心感が混合している。
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