警察官も推敲をよくします〜文章を整える技術

2018.11.20 (火)

 

推敲について書かれた本です。

 

 

私なりに推敲のポイントは3つあります。この本にも載っていたものであるし、広く世の中に出回っているものなので目新しいものではありませんが。

 

・人に読んでもらう

・プリントする

・声に出す

 

の3つです。

 

 

例えば警察官って、文章を書くことが多いんです。捜査報告書です。扱った事故や事件について、その状況を組織に乗せるために文章を作るんです。口頭でもできるんですけど、口で言ったものは形に残らない、ので捜査報告書をつくって、多人数に読んでもらったり後々にまで残るようにするんです。

 

 

で捜査報告書って、書き終わった直後って間違いが多いんです。よくある単純ミスが多いんです。捜査報告書っていわゆる司法書類なのでミスがないようにしなければなりません。単純な変換ミスもそうですし、書いている内容は裁判を左右するものです。ですので変なことは書けません。

 

 

ですから文章を書いた直後のミスの多さっていうのには、警察官は結構慣れているんです。馴染みがあるんです。

 

 

そんな中で効果的だし、私もよくやっていた推敲はこの3つです。

 

 

一番効果的なのは「人に読んでもらう」ことです。自分の文章は自分では絶対に見抜けないミスがあります。それっていうのは、思い込みによるせいです。自分の意識の外からの指摘があって、初めて気づくことができる文章の間違いっていうのは往々にしてあります。それは自分では気づかないんです。自分ではそれがミスであることが分かっていなくて、認知外のことなので。

 

 

だから他人から読んでもらうとミスが見つかりやすいし、人の文章を読むとミスを見つけやすいんです。ですけどよくあるのが、読んでもらって指摘されても「そこは間違いじゃない」って反論してしまうことです。捜査報告書の書き方も人それぞれな部分があるので、指摘されても一概に縦に首を振れるものではないんですね。

 

 

だから、捜査報告書を他人に読んでもらうことは「ミスを指摘さしてもらうため」って分かっていても、余計なものまで指摘される恐れがあるんで、及び腰になります。できれば「自分だけで推敲したい」っていう気分になります。

 

 

そんな時は、残りの2つが有効です。まず「プリントする」です。不思議なもので、ディスプレイ上で分からないミスが、紙だと分かってしまいますよね。「違う視点で見る」っていうことなんでしょうか。それとも、やはり紙にはディスプレイにはない目に見えない良さがあって、それのなせる技なんでしょうか。

 

 

紙にプリントされた文章を読んでいると、ミスが目につきやすいです。それに訂正をすぐに書き込むこともできます。訂正の仕方っていうのは決まったものはなく、その時の状況によります。一言二言付け加えるだけの場合もありますし、文章全体を入れ替えることもあります。そんな、型のない「訂正」を、紙の上だとやりやすいんです。これはディスプレイのまだまだ及ばないところですよね。

 

 

最後に「声に出す」です。声に出すと、音でも自分の文章を推敲することができます。声に出さないでモヤモヤと自分の頭の中で読むよりも、声に出せば余計にハッキリとリズムを感じることができます。興味深いもので、声に出して読むだけで、自分の文章を違った角度から見直すことができるんです。

 

 

黙読していただけでは気づかないものを、音読だと気づくことができます。同じ語句の使い回しが気になったり、文書の長短が気になったり、もっと大まかな内容の流れがイメージと違っていて気になったり。この声に出すっていうのは、周りに人がいるとなかなかできないんですが、一人でできる、かなり有効な推敲の手段です。

 

 

こんな風に、警察官っていうのも文章を書く機会が多い職業で、推敲の経験を知っている人間なんです。「文書を整える」わけではないんですけど、文書を見直すっていう事で「繋がりがあるなぁ」と思ったので紹介して見ました。

 


 

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