カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!? 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
カジノとIRの違いを説明し、その上でIRの有効性や必要性を説いた本です。
著者は「導入するならかカジノではなく、IRだ。」と、シンガポール式のIRを強く勧めています。シンガポールに建てられたIRは、シンガポールに大きな経済的な富をもたらしているそうです。著者は、IR導入は日本の経済活性化のラストチャンスであり、それは一過性の東京オリンピックよりも有望だとみています。そして、「小さい島国」など条件がにているシンガポール式のIRこそを導入すべきだと説いています。
ギャンブルや詐欺などダーティーなイメージのカジと違って、IRはクリーンなイメージです。IRはショッピングセンターやホテルやコンペンションセンターなどの施設の一部であり、ですが収益の多くを稼ぐ目玉でもあります。
IR導入で日本が成功するには、とてもハードルが高いと私は思いました。シンガポール式IRの特徴は、自国民をカジノから守っているところにあります。シンガポール国籍を持つ者は、IRに自由に入れどもカジノにはほとんで行かないそうです。外国人観光客と違って自国民には高い入場料を課し、犯歴などの制限も厳しいそうです。
そうして汚らわしいイメージのカジノやギャンブル依存症から自国民を守っているのです。経営するのも外国人、お客さんも外国人、お金を落としていくのも外国人、それがシンガポール式のIRです。
この方法は、「シンガポールの様に強権を発動できる国だからこそ可能なのでは」と思います。日本では物事が決まるまでに「あーだこーだ」紆余曲折があり、時間を掛けて掛けて結局何も決まらないことが多々あります。IRを導入してシンガポール式で運営するには、日本人であれば疑問を持ったり納得できなかったりなじみが薄いことを多くしなければなりません。「選ばれた裕福層しか入れない世界の設置」がそうです。
ですので、「IRを導入して成功させるには、日本は自由すぎる、閉鎖的すぎる、知らなさすぎる、のではないか」というのが、私の感想です。
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