補導・職質・取り調べ・声掛け。違いは何か、どこが違うのか、どう見分けるのか

2020.02.27 (木)

たとえば家電量販店に行って、スマホやらパソコンやらを選ぼうとすると、販売員とか店員さんから色々とアドバイスされると思うんです。「あっちのスマホはそこが悪いけど、こっちのスマホがここがいい」とか「こっちのスマホはこんな時に使える」とか。で、そんなアドバイスを受けたとして、そのアドバイスが本当かどうかなんて、自分の側に知識がない限りはわかりません。

 

 

その店員さんが嘘のアドバイスをしていたとして、もしもその店員さんの口がうまく、もっともらしいことを話していたら、「ああ、そのとおりだな」って納得してしまいます。ましてや「今日中にスマホがほしい」とか「今すぐにでも買いたい」なんて焦る気持ちを持っていたら、他の店に行って他の店員さんのアドバイスを聞く余裕もないので、「急いでいる」っていうバイアスも働いて、「なるほど、店員さんの言うとおりだな。じゃあこれを買おう」って、疑うこと無く判断を下してしまうはずです。

 

 

僕が警察官をやっていたときに思うのが、この家電量販店に行った際に店員さんと自分との間にある不平等です。店員さんは知識を持っている。何人もお客さんを相手にしているので接客の経験もある。故に売り方がうまい。それに対して自分には家電に対する知識がないし、店員さんと接することが頻繁にあるわけではない。故に立居場的に不利である。

 

 

この商品知識に対しての不平等をいいことに、もしかしたら単に自分が売りたい商品を売る店員さんもいるかもしれないし。お客さんの無知や経験の少なさを利用して、自分の都合のいいように販売するかもしれない。

 

 

警察は法的知識の不平等や経験の不平等を利用して、自分たちの都合のいいようにその場を処理する傾向にあります。警察の処理に正義があるのならそれでも良いのかもしれませんが、警察の処理が不正である場合、警察の処理に疑問を持って、知識と勇気をもって、その処理がどんな処理なのかをはっきりせるのがいいでしょうね。自分がされている事は何なのか、補導なのか、職質なのか、取り調べなのか、声掛けなのか。

 

 

いかにそれぞれの警察活動の見分け方……というか特徴を記載したので、参考にしてください。

 

 

補導

まず補導ですが、こちらにも色々と詳しく書いてあるので御覧ください。不良行為に対してなされるもので、不良行為は犯罪ではないので、前科前歴として残ることはありません。不良行為は17項目あるのですが、メジャーなものは深夜徘徊です。

 

 

というのも、深夜徘徊が警察官にとっても一番見つけやすいんです。深夜に出歩いている子どもを見つけたらそれで終わりなので。補導される時はおそらく警察官からも「これは補導になるので」なんて説明あると思うのですが、もしも説明がなかった場合は「補導になるのかどうか」を聞いても良いはずです。

 

 

自分たちがしている処理が補導かどうか、本人に知らせることに、警察の側のデメリットはないはずなので、警察はあまり自分たちから言おうとはしません。目安としては、親に連絡されたら、それは補導だと思います。それと、自分以外にも親の名前や連絡先を聞かれたら補導です。

 

 

一応、補導歴というのがありますが、前科前歴はまだしも補導歴まで気にして採用することはないのではないでしょうか。補導歴なんて、警察に連絡しなければ調べられないですし。警察だって、いちいち採用関係の人に補導歴を答えるほど暇でないでしょうし。

 

 

職質

簡単に言うと、どこか怪しかったら声をかけた、というのが職質です。「怪しかった」というのは、何かしらの犯罪に関係があるのではないか、という意味です。目安としては、名前と生年月日、それと住所あたりを聞かれたら、それは職質です。照会をされたら間違いなく職質でしょう。

 

 

記録には、残るけれど残らないとも言えます。職質した警察官が、「いつ、どこで、誰に職質した」というような内容のメモを書けば、数年はそのメモが廃棄されないので、そういう意味では残るでしょう。けれどメモが残ったとしても、前科前歴のような影響力のあるものではないですし、警察部外の人がそのメモを見られることはないでしょう。

 

 

もしも職質した警察官が忙しかったり、記憶に残らないような職質であった場合、メモすら作らない時もあります。その時は警察組織的には、「あれは職質ではなくて、単なる声かけだった」というような処理になります。

 

 

犯罪を暴いたり、犯罪者を見つけるきっかけになるので、個人的にはもっと警察は職質をするべきだと思いますし、社会は警察の職質に対して寛容的になるべきだと思います。職質されたくらいで「何も悪いことをしていないのに職質された!」などと声を荒げるのはやめてほしいです。大抵の場合、そんな人がいう「何も悪いことをしていない」には客観性がありません。「周りから見れば十分に怪しかった」ということです。

 

 

職質は声掛けとの境い目が曖昧ではあります。というか、警察ではそこを曖昧にするのが手でもあります。

 

 

声掛け

記録にも残らないようなものです。「あいさつ」と言ってもいいようなものです。「あいさつ+小話し」程度であれば声掛けです。

 

 

職質したけれどまったく怪しくなかった。職質したけれど照会しなかった。職質したけけれど記録に残すほどでもなかった。職質したけれど忙しくて記録に残さなかった。というのも声掛けに分類されるでしょう。なので、職質と声掛けの境界は曖昧です。わざと曖昧にして、どっちとも取れるようにしている、という手を警察は使います。

 

 

タテマエ上、職質をするには「怪しいから」という前提が必要であるのに対して、声掛けは「怪しいから」という前提が必要ありません。怪しくなくても、声掛けはできるのです。なので、声掛けで話しかけて、途中から怪しさを感じたので職質に切り替え、という手も使います。怪しいと思って職質したけれど、やっぱり怪しくなかったので声掛けにしよう、という手も使います。

 

 

 

取り調べ

これをされたら、立派な犯罪者です。黒なのか白なのか……というか黒です。取り調べは犯罪者に対してしかしません。なので、取り調べまで受けておきながら「自分は悪くない」というのは、ちょっと考えられないです。

 

 

警察署には取調室という小さい部屋があります。いわゆる牢屋のようなものではないく、机と椅子がある小さな部屋です。ここで取調べ調書を取られたら、それは「取り調べを受けた」ということになります。あなたは被疑者、ということになります。「何かしらの犯罪を犯したことを疑われている」ということになります。

 

 

取り調べ調書はこっそりと書けるものではなく、あらかじめ言わなければならないことを警察官は説明するので、自分が調書を取られているかどうかは、わかるはずです。いつの間にか取調べされていた、というのは考えにくいです。あなたが酔っ払ってでもいなかった限り。

 

 

というわけで、補導、職質、取り調べ、声掛け、の違いについて書いてみました。もしも自分が警察から受けた処理に疑問があったり、「あれは何だったのだろうか」と思うところがあるのなら、連絡していただければと思います。答えられる範囲で答えます。

 

 


 

 

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