少年補導は拒否できるのか
少年補導を拒否することもできますよ。
確かに警察の少年補導を拒否する姿勢を示すことはできます。が、警察がその拒否を受け入れてくれるかどうかはわかりません。それと、どの段階で拒否するか、どんな風に拒否するかも関わってくるでしょうね。
一番簡単なのは、警察から補導されたその場で、その現場で拒否することでしょうね。数日たった後に、「やっぱりあの補導はなかったことに」なんて警察に伝えても、警察はパソコンで人定事項を入力し終わった後でしょうから。データとして「いついつ、どこどこで、誰々を、どんな風に少年補導した」という記録がされていますから。データの消去をどうやるのか、というパソコンの問題になるので、データ入力以前の段階で「なかったことに」という話を警察にした方がはいいでしょうね。
補導されたその現場で拒否する姿勢を示せば、警察官の気持ちとしても補導をなかったことにしやすいのかもしれません。全部終わってから「なかったことに」なんて言われても、家電量販店での買い物で商品を一回買ってから「やっぱりなかったことに」とか、甲子園の試合で勝ってから「やっぱりなかったことに」なんて審判から言われるのと同じで、覆すのって実際はできても、言われた方は「なんだよそれ」って思ってしまうものなんです。なので、「補導します」と言われたその場で拒否することを言ったほうがいいでしょうね。
で、一番の問題は「どうやって拒否するか」だと思います。ただ「嫌だ」とか、なんの根拠もないのに「補導しないで」なんて言っても警察官が「はい、そうですか」と言って受け入れてくれるわけではないので。一番簡単なのは、「補導に当たらない」とか「補導対象ではない」ことをハッキリと示せるといいんですよね。
例えば、補導対象の一つに「怠学」というのがあります。普通の学生であれば学校に行っているであろう時間帯に町の中をウロウロしていると、「怠けて学校に行っていないんだろう」と警察は思って、補導しようと近づいてきます。その時に「病院に行っていました」とか「家の手伝いがあって」とか、「怠学じゃないよ」「今、この時間をウロウロしなければならない、ちゃんとした理由があるんだよ」ということを示さなければなりません。
で、その時にただ口で生意気な感じで警察に伝えたところで、警察は「はあ? 嘘ついてんじゃねえよ」とは思うでしょうね。その時に、例えば、「今さっき行ってきた」という時間が書かれているような病院の領収書をもっているとか。そんなものがあれば、警察も「確かに病院に行ってきたんだね」と納得するでしょう。
例えば補導対象の一つ「深夜徘徊」ですが、これだと深夜徘徊に当たらないことを示すことが必要です。どうやって深夜徘徊に当たらないことを示すのかというと、一つは親の承諾です。もともと補導とは不良行為を戒めるためのもので、「親の承諾なしに」ということが、不良行為であることの一端です。
親の承諾を受けているような事を示せれば、あるいは警察も「深夜徘徊に当たらない」と判断するかもしれません。ただ、「親の承諾を受けているから」という理由が万全というわけでもありません。今の時間にこの場所にいる必然的な理由が必要なんです。
そういう意味では、「塾の帰り」「部活の帰り」といのは必然的な理由になりえます。「塾の帰りで遅くなった」「部活の帰りで遅くなった」というやつです。ただ、警察官はしつこく聞くでしょうね。「どこの塾に通っているんだ」「どこの学校で何の部活をしているんだ」「何時に終わったのか」「終わってから今まで何をしていたんだ」など、今の時間にこの場所にいることの必然性を判断しますので、これらの質問にスラスラと答えられなくてはなりません。
それに、塾の講師や学校の教員も、「夜の11時以降は深夜徘徊になり得る」ことくらいはわかっていると思うので、それまでに家に帰れるように家に帰すはずです。「夜の9時に塾なり部活が終わっておきながら、それでも11時まで何をやっていたんだ」なんて思われるでしょうし、それに「子どもを深夜遅くまで引き止めるなんて、どういう考えしてるんだ」と塾や学校に警察から連絡するという話になるかもしれません。塾や学校の部活を理由にする時は、よく考えることです。
それと、家の近くであれば、「深夜徘徊にならない」と警察から判断されるかもしれません。「家がすぐ近くにある」ということを示せればいいんです。でもこれも万全じゃなくて、いくら家の近くにいたとしても、公園の中で遊んでいたりコンビニでたむろしていれば、「いくら家の近くとは言え、十分に深夜徘徊なんじゃないの?」と思われるでしょう。
「喫煙」や「禁酒」に至っては、20歳未満が持っていたら、たとえ「飲んでねえよ」とか「吸ってねえよ」と言っても「嘘つくなコノヤロー、飲んでねえわけねえだろ(吸ってねえわけねえだろ)」なんて言われると思います。
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