子どもの非行を防ぐために必要な、抽象化思考の3つの効果とは
子どもの非行を防ぐには、物事を抽象的に見ることが必要である。抽象とは具体の反対である。具体とは、ハッキリしているもの、分かりやすいもの、細かいもの、現実的なもの、自分に近いもの、である。それに対して抽象とは、ふわっとしているもの、分かりにくいもの、大雑把なもの、非現実的なもの、自分から遠いもの、である。
というのも、子どもの非行を防ぐには客観の視点が必要だし、自分の価値観に囚われないことが必要なのである。私たちは日常の中で、意識しなければ具体的なものに囚われてしまう。細かいところが気になるし、ハッキリしないものがあるとハッキリさせたくなる。分かりにくいものと分かりやすいものがあると分かりやすいものを選ぶであろう。
抽象化の効果は、優しくなれること、視野が広がること、それが物事の芯であること、などがある。
物事を抽象的に見られるようになると、人に対して細々した事を押し付けなくなる。どうでもよくなるのである。細部が見えなくなって、大雑把に見られるようになる。人がやることに対して口出ししなくなる。これは優しさや寛容さと呼ばれるものであり、非行や犯罪とは真逆の精神である。非行や犯罪は自己中の塊なので、非行や犯罪に走らないようにするには、優しさや寛容さがいるのである。
さらに抽象化によって視野が広がる。近づいてよく見ようとしていたことに対し、距離を置いて全体を見られるようになる。それまで視野の外にあったものも視野の範囲内で捉えられるようになる。答えが見えなかったものも、思わぬところから答えが降りてくるだろう。アイディアが湧くのである。解決に至る道すぎがフッと見えるようになる。
それと、物事の芯の部分、本質とは大抵、抽象的なものなのである。具体的というのは、相手に伝わりやすくしたものである。人はハッキリとして分かりやすいものに流れるので、抽象的なものだとなかなか理解してくれない。だから人に伝えるには具体的であったほうがいいのかもしれない。だけど、それは相手に伝えるために表面の分かりやすい部分を伝えているだけに過ぎない。思いや考えの本質というのは、モヤモヤとしていてなかなか伝わりづらいものなのである。
憧れている人はいるだろうか? 憧れの人の何が好きなのか。憧れの人の着ている服を真似てもその人にはなれない。趣味を真似てもその人にはなれない。所有物を真似てもその人にはなれない。そんな表面的なものを真似てもその人にはなれない。もっと抽象的なもの、考えや思想といったものこそが、その憧れの人の本質であり芯の部分であろう。
抽象化の効果は、だいたい3つに分けられるだろうか。優しくなれること、視野が広がること、それが物事の芯の部分であること、である。
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