非行を防止するには「どうやって繋げるか」である
部屋の中と、人間関係って、繋がっていると思うんです。おそらくほとんどの警察官が経験済みだと思うんです。犯罪者の家に入るとどういう印象を受けるのか。犯罪者の家や部屋の中とは、どうなっているのか。それに対する印象は、「汚い」「ゴチャゴチャしている」というものです。いわゆるゴミ屋敷であることが多いんです。
警察官って、犯罪者の家に行って、部屋の中まで入ることが多いんです。110番通報を受けて行く「現場」って、家の中が多いですし。家の中が犯罪の現場ってことが結構あるんです。そんな時に抱く印象が、「汚い」ってものです。もう家に入った瞬間、もっと悪い場合は家に入る前から、「なんかこの家、やばいな」って感じるんです。具体的に「何に感じるのか」まではわからないんですけど、オーラというか雰囲気が、犯罪者の家は並ではないんです。
で、実際に家に入ってみてゴミ屋敷だったりするんですよ。家の中ゴミをためているんですよね。もしかしたら本人は「ゴミ」と思っていないのかもしれませんが。とにかく「捨てられない」症候群なんです。だから、部屋の中と犯罪っていうのは繋がっていると思うんです。
犯罪っていうのは、人間関係の延長にあります。犯罪は、人間関係の歪みで起こります。暴行や傷害などの、人に対して直接に憎しみをぶつけるような犯罪はもちろん、盗みも、人間関係の歪みから起こると思っています。人間関係がうまくいかないが故に、ドロボーになったり。ドロボーに入る家の人がどんなに迷惑するか、その心情を想像できななかったり。一見、人間関係とは関係のない「物盗り」であっても、その根底には人間関係の歪みが見え隠れしているんです。
で、非行っていうのも犯罪と同じです。言葉は違うのですが、やっていることは同じですから。ただ年齢が違うだけです。未成年であれば非行と呼ばれますし、成人が犯した悪いことであれば犯罪と呼ばれます。そのあとの処理なんかも違ってきますし、警察の扱い的には別物なのですが、実質的にあ同じと考えて問題ないと思います。
部屋の中と犯罪は繋がっているんです。部屋の中がゴチャゴチャしていれば、人間関係もゴチャゴチャしている。部屋の中がキレイに整理整頓されていれば、人間関係もキレイに整理整頓されているのだと思います。人間関係がもつれて、その最たるものが犯罪なので、人間関係がゴチャゴチャしていたり整理整頓されていないということは、犯罪に繋がりやすいということです。
で、ここに犯罪を防ぐためのヒントがあると思っていまして。もしも部屋の中がキレイなのに素行が悪いとか、人間関係がうまくいかない、という人がいるのであれば、部屋の中と人間関係をつなげられれば上手くいくのではないかと思うんです。
部屋の中と、人間関係を繋げるんです。最近、ずっとコラムで書いたりインターネットラジオで話しているように、「繋げる」とはアナロジーを使って繋げます。
部屋の中が切れなのであれば、人間関係との繋がりを見つけて、キレイにする術を、上手く人間関係に応用しましょう。一見、関係のない、離れて断絶しているように思える「部屋の中」と「人間関係」ですが、アナロジーを上手く使えば、繋がらないものではありません。二つの世界の間で、自分の中で似ている部分を感じることができれば、二つを繋げ合わせることができると思います。
私は今回、「部屋の中」を例に出しましたが、キレイにしているのであれば、部屋の中でなくてもなんでもいいのです。「机の上」でもいいですし、「デスクトップ」でもいいですし。普段「キレイ」にしているエリアから、キレイにしたい人間関係に対して、応用を効かせるのです。
さらに言えば、ベースになるエリアが「キレイ」でなくてもいいのだと思います。私は普段、犯罪や非行を防ぐには人間関係を「キレイ」にすることが大事だと思っていたので、私の頭の中では「キレイ」というワードで犯罪と部屋の中を繋げたのですが、そんな共通項ですが、繋がればなんでもいいのです。
要は繋げられるかどうか、です。繋がるものは、個人個人によって別々です。人をそっくり真似する必要はありません。むしろ人真似して自分を無視すれば、繋がる可能性が低くなるので、自分の頭の中で似ているものを見つけた方がいいと思います。
もしも子どもの非行のことで悩んでいるのであれば、自分が上手くいっているエリアから、上手くいっていない子どもの非行というエリアに何を応用できるかを考えることです。それはどうやって応用できるかを考えることであり、どうやって繋げられるか、という問題になります。繋がらないものはありません。抽象化すれば、具体的に見るよりもずっと繋がりやすくなるはずです。
子どもの非行を防ぐには、「どうやって繋げるか」なのです。
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プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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