人から聞いた内容に、オリジナルの説得力を出すには

2019.08.22 (木)

自分の言葉で言えるようになると、そのことは自分のものになる。例えば、人に何かしらのアドバイスをする時。相手が悩みを打ち明けてきたとき。自分がその悩みに対して、何かしらのアドバイスをしなければならない立場にあるとき。そんな時に、自分がゼロから考えたようなアドバイスがあればいいのだろうけれど、そんなものは滅多にない。だいたい、世の中にあるアイディアというのはほとんど、ゼロから作られたものではない。既存のものを流用して、応用して作られたものだ。どんなにオリジナルなことを言っているように見える人でも、その内容というのはどこかから取り入れたもの、ということになる。

 

 

ここで疑問に思うのが、取り入れたものはどこか、他人感が漂うのではないか、ということ。人から聞いたこと、本を読んで知ったこと、そんな流用や応用をして伝えるアドバイスというのは、どこか自分のものでないような雰囲気が漂うのでないか。そんなもので、説得力はでないのではないか、と思わないだろうか。

 

 

確かに、人から聞いたことをそのまま横流ししては、説得力がないだろう。右から流れてきたものをそのまま左に流しているようでは、あまりにも芸がない。それでは相手も納得しないだろう。けれど、そんなことを言ったら、世の中のアドバイスは全て、説得力がないものになってしまう。なぜなら、世の中にあるアドバイスやアイディアは、全てが流用だからだ。完全なオリジナルというものは、ほぼあり得ない。

 

 

では、同じ流用ものであるにも関わらず、相手が納得するものと納得しないものの違いは何であろうか。というのも、確かに世の中には相手が納得する形で話をすることができる人もいるのだ。流用のアイディアを使っているにも関わらず。どうしてその違いが出るのだろうか。

 

 

それは、自分の言葉に直して使っているからだろう。人から聞いたものをそのまま流すのではなく、自分のものとして加工する。右から流れてきたものを、内容はそのままに、パッケージだけ自分のものにすげ替えるのだ。そうすることで、格段にその内容は説得力を増す。聞いたがわも「人から聞いたことを言っているよ」などと軽く思わず、納得感が出てくる。

 

 

それは、具体的なものを一度抽象化して、そこからさらに自分身近なものに具体化し直しているのだ。具体を抽象化して、さらに具体化している。流れてきた具体的なものは、自分にとっては身近なものではない。それを話して人間にとって具体的なのである。それを自分に合うものにするには、一度抽象化しなくてはならない。「要するにどういうことなのか」を、自分なりに考えるのだ。枝葉を切り捨てて、幹の部分が何なのか、を自分で考えなくてはならないのだ。その後で、何の飾り気もない、幹の部分に、自分なりの枝葉をつける。そうすることで、あたかも自分オリジナルなものであるかのようになるのだ。

 

 

例えば、 心理学では、離別感という言葉を使うらしい。おそらくこれは、相手を自分とは違う別人として認める、ということなのだと思う。これをこのまま人に伝えては、説得力も何にもない。既存のアイディアの流用であることがありありとしているからだ。これに対して自分なりの解釈を加えねばならない。ここで出てくるのが、いかに自分の領域から狙い撃ちができるか、である。自分がそれまで生きてきた中で出来上がった価値観で、いかにその離別感なるものを表現できるか、にかかっている。離別感を「離別感」と表現せず、いかに自分の言葉で「相手を自分とは違う別人として認める」ことを表現できるか。そこが、聞いている側が納得できるかどうかであり、そこがオリジナル感が出るかどうか、なのだ。

 

 

内容がオリジナルでないものに、オリジナル感を出すには、自分の言葉で話すこと。自分の価値観を総動員させて、自分の領域から、表現しようとするものを撃てるかどうか。遠ければ遠いほど、自分の言葉で表現することの価値が出てくる。あたかもスナイパーのように、遠ければ遠いほど、狙撃の価値は出てくる。遠ければその分、相手から気づかれることもないだろう。自分の言葉で表現することも、狙撃も「遠くから狙う」という意外性が必要なのである。

 

 

世の中にあるアウトプット、アイディア、アドバイスの内容、全ては既存のものの応用である。オリジナルではないのに、なぜ説得力が出るのかというと、それは自分の価値観や経験と繋げて話せているから。そのまま使っては、何の説得力もない。自分の包み紙でパッケージングするのだ。そこで必要なのは、いかに繋げられるか、である。自分のそれまでの経験と、今取り入れた他人のアイディアを、いかに繋げられるか。他人のアイディアを表現する際、それを表現する自分の領域は、そのアイディアから離れていれば離れているほど、意外性が出て、相手が「掛かる」可能性が高くなる。「おっ」と思われる可能性が高くなるのだ。

 


 

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