講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
講演などで人を惹きつける話し方をするために、台本づくりを進める内容となっています。著者は台本づくりのメリットを、
・内容がぶれなくなる
・言葉や表現を、しっかりと選んで使うことができる
・時間の配分ができる
・臨機応変にアドリブで対応できる
・反省点が分かり、次に活かすことができる
としています。
著者はお笑いの吉本興業に勤めていたことがあり、本書ではその時のエピソードが多く出てきます。漫才やコントなど、人前で話すことが仕事の芸人さんには台本があります。彼らの面白くて笑いを取れる話は、台本をつくって綿密に計算されたものなのです。
彼らでさえ台本をつくってから本番に挑むのに、これから講師の経験を積もうとしている人が、台本を作らないのはリスキーである。というのが、著者の主張です。
著者が勧めているのは、5分ネタの台本です。はじめから一時間や二時間の台本を作ろうとするから、途方も無い作業のように思えるのです。5分話せるネタであれば、頭を悩まさずともなんとかなるはずです。
一時間の講演であれば5分ネタを12個、二時間の講演であれば5分ネタを24個つくるのです。あらかじめ30個ほどつくっておくことを、著者は推奨しています。
そうすれば、順番や組み合わせで全体の構成を変えることができます。講演の種類、求められているもの、雰囲気、客層に合わせて、構成を変えれば、話す内容の幅が広がるのです。
著者は、5分ネタの中には自身の体験談を入れることで、話が締まると説いています。例えば、ただ「人の話を聞きましょう」と言っても、聴衆に納得のいく話はできません。
講師自身が、「人の話を聞くことでこういうメリットを得た」「人の話を聞くようになった前と後では、こんなに違う」という体験談を入れることで、話の内容が聴衆の芯にスッと入るものに変わるのです。
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