期限を設定することが人生のブースターになるよ〜誰にでもわかるハイデガー

2019.12.22 (日)

 

 

東日本大震災の時、皆んなは何をしていただろうか。人と話をするときに、この「東日本大震災のときは何をしていた?」というのは、決り文句のように聞こえる。「趣味は何?」とか「好きなタイプは?」とか「どこに住んでるの?」などの次くらいに「東日本大震災のときは何をしていた?」というのは来るのではないだろうか。

 

 

ちなみに僕は東日本大震災の時、警察官をしていた。仕事の真っ最中だった。確かに自身は感じたが、それほど大きな地震には思えなかった。それほど大きな被害になるとは思ってもみなかった。ただ、ぼーっと聞いていた無線が、なにやらやかましかったのは覚えている。「何か大きな事が起こった。が、詳細はまだわかっていない」みないた雰囲気だった。といのも、警察という組織はなにか大事が起こっても、詳細がわかってその大事の全体像がはっきりするまで口をなかなか開かない傾向にあるのだ。「間違ったことを言ってはいけない」という配慮ではあるのだが、ときにこのことが煩わしくさえ思う。組織の中の人間がそうお思うのだから、組織の外側にいる人、つまり警察官以外の人からしたらよっぽどだろう。だから嘘をついている用に感じられ、「警察官は本当のことを言わない」などと言われるのだ。

 

 

東日本大震災が起こってからよく聞くようになった人生観があって、それは「死」ではないだろうか。多くの人が流されて多くの人が下敷きになったりしたのから、それは仕方のないことかもしれない。僕もあの時はテレビで、今でもユーチューブで見られるのだが、家族と離ればなれになった人の映像を見てこみ上げてくるものがある。この日本史上に残る大災害をとおして、多くの人が改めて「死」を考えるようになったのだ。「死ぬとはどういうことか」などと考えらる人はまだいい。「大事な人が死んでしまった」「もう会えなくなってしまった」と、間近に死を体験してしまった人もいるだろう。

 

 

最近、と言っても東日本大震災が起こってから、「どうせ人間は死んでしまうんだ」という趣旨の事を言う人が多くなったと思う。起業や、転職や、新しいことを初めた人に会った時。その新しく初めたことがリスクのあることで、普通であればなかなか手が出せないようなことで、けれどそれを始めている。「どうしてそのようなリスキーな事を初めたのですか?」と聞いて、「東日本大震災を経験して、『自分もいつかは死んでしまう』ことを実感した。だから、やりたいことを今やろうと思った」という人に、時々会うようになったのだ。

 

 

東日本大震災が起こったことは決して良いことだったとは言えない。何万人者人たちが一斉に無くなってしまったあのような震災は、けっして身近に起こっては欲しくいないことである。けれど、物事にウラとオモテがあることは、倫理的な事を抜きにして、事実だと思う。太陽が輝くから影ができるのだし、白色などの明るい色があるから、黒色などの暗い色が映えるのである。勉強を頑張っている人がクラスにいるから、クラス内のバカなことをやっている人の居場所もまたあるものなのだ。

 

 

「死者約1万5千人、行方不明者約2千5百人、被害額約16兆円」という被害が、東日本大震災のオモテの顔だとすれば、ウラの顔の一つは、それがブースターになったことかもしれない。何のブースターになったのか。人生のブースターになったのだ。「人は死ぬことがわかった」「人生には限りがあることがわかった」「いずれ自分も死ぬことが実感できた」ことで、「やろう」と思っている事を先回しにせず、今すぐにでもやろうと思う人がたくさん出てきたのだ。

 

 

これは先延ばしになりがちなことに、期限を決めることに似ている。例えばクリエイティブな仕事をしている人にありがちだと思うが、ついつい出来上がりを先延ばしにしてしまっていないだろうか。自分の仕事を過大評価して、自分の仕事の完璧な姿を夢見て。「今はまだ気持ちが乗らない」とか「今日はモチベーションが上がらない」とか「出来栄えに納得がいかないから、明日もう一度作ってみよう」などと、怠惰な毎日をおくってはいないだろうか。

 

 

「今はまだ気持ちが乗らない」とか「今日はモチベーションが上がらない」とか「出来栄えに納得がいかないから、明日もう一度作ってみよう」などと言えば聞こえは良いのだが、要は「ダラけている」ということだろう。これは、人生がいつまでも続いていくという勘違いとよく似ている。決まったことが何一つ無いこの世の中で、一つだけ決まったことがあるとすれば、それは人間の死亡率である。人間の死亡率は100パーセントであって、僕たちは放っておいてもいずれは死ぬのだ。それなのに、いつまでもダラダラと、のんべんだらりと人生を過ごしている。おそらく多くの人が、人生の最後になって、死ぬという間際になって、もう明日がない、という状況になって、思うことだろう。「こんなはずじゃなかった」と。

 

 

期限を意識して始めて、人はモチベーションを発揮できるのだ。提出日を設定して始めて、課題に取り掛かることができるのだ。死を意識して始めて、僕たちは「人生を生きよう」と本当の意味で思うことができるのだ。いつまでも宿題をサボっていれば、先生だって「もういいよ」と言うだろう。ライターがいつまも書けない状態が続いていると、編集者だって「もういいよ」と愛想をつかすだろう。「いずれ」とか「今日は……」とか「モチベーションが……」という精神状態では、人生に見放されてしまうのだ。

 

 

だから期限を儲けよう。とりわけ、忘れがちな「死」を意識して、人生そのものが有限であることを間近に考えよう。そうすればブースターが作動して、怠惰な人生が身のあるものになるさ。それが、ハイデガーが「死を持って生を見つめる」と言った所以である。変化球があるから、ストレートが活きるのだ。甘いものを食べ慣れているから、苦い食べ物を辛く思うのだ。死を設定するから、生を考えるのだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

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