出口汪 現代文講義の実況中継(1) 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る

2015.12.23 (水)

 

この本は、すべての科目に必要な、言語処理能力、論理力、記述・論述力を強化するための本です。

著者は「現代文ほど成績の上がりやすい科目はない。そして、そこには一貫した方法があり、正しい方法で一定の訓練さえ積めば、だれでも高得点を取ることが可能である。」という主張のもと、この講義を展開しています。

この本では3つの評論、1つの小説、1つの随筆を解きながら、現代文の解き方について説明しています。

著者は、一つの主張を繰り返すのが評論であると述べています。人に伝えたい事柄があっても、ただ「◯◯である。」と言っても、だれにも信じてもらえない。だから繰り返す。どうやって繰り返すのかと言ったら、形を変えて繰り返す。比喩や引用を使って、言葉を変えて同じことを繰り返すのが評論です。だから、問題を解く際は、同じ結論の繰り返しとして、重層的に文章を読むべきと主張しています。

著者はさらに、文脈によって言葉を規定していけば、言葉は固定されると述べています。現代文は数学と一緒で、論理を表したもの。それが数字か日本語かの違い。ただ日本語は数字と違い、個人個人で使い方や受け取り方に違いがある。だから意味が揺れ動く。そんな時は、文脈から押さえる。揺れる玉が糸で引っ張られて固定されるように、揺れ動く言葉が文脈で固定されると主張しています。

著者はさらに、論理的な文章とは何かについて説明しています。論理的な文章とは、一度述べたことを何度も形を変えて繰り返すことです。「・・でない」「・・かまたは・・」「・・でありまた・・」「・・はみんな」「何々は・・である。」の5つの使用規則に従って結論を出した場合、事実がどうであれ、それは論理的に正しいと述べています。

 

子育てをするにあたっては、様々な情報を仕入れ、精査しなければなりません。病気になった際の対処法など日常的な問題から、進学先の選定など人生を左右する問題まで、膨大な情報をインプットし、子どもにフィードバックしなければなりません。そのなかでは当然、私たち親が情報処理能力を上げねばならない場面がいくつもあります。入試問題の参考書は、私たち社会人にとっても、基礎レベルを上げる意味で必要な本です。ぜひ読んでみてください。

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