あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る
この本は、「やりがい」のために働くことがいちばん大事で、そのためであれば他のものを犠牲にしても構わない、という働き方を否定する本です。
この本ははじめにに続き、以下のような構成になっています。
第1章 あ、今日は用事があるんで定時に失礼します。
− ここがヘンだよ、日本人の働き方
第2章 いえ、それは僕の仕事じゃないんで。
− 日本のガラパゴス労働を支える「社畜」
第3章 はい、将来の夢は毎日ゴロゴロ寝て暮らすことです!
− 社畜が生まれるメカニズム
第4章 えー、「従業員目線」で考えますと・・
− 社畜のための8カ条
「こんなことを真面目に考えているひとがいるのか」と、驚くとともに安心してしまう内容です。日本の労働環境や社会、それと自分のことがこっけいに思え、おもわずニヤニヤしてしまいます。
著者は「会社と自分を切り離して考えることができない会社員」のことを「社畜」と定義し、社畜にならないためには以下の8つが重要であると主張します。
1 「やりがい」にとらわれるな
2 つらくなったらいつでも逃げていい
3 「従業員目線」を持ち続けよう
4 会社の人間関係を絶対視するな
5 会社はあくまで「取引先」と考えよ
6 自分の労働市場価値を客観的に把握しよう
7 夫妻は極力背負わない
8 自分の価値観を大切にしよう
子どもを非行に走らせることなく素直に育てるには、子どもと接する時間が重要になります。しかし、世の中のお父さんは明らかに働きすぎで、実体のない会社というものにとらわれ過ぎています。普段、家族は家におらず、家に家族がいるのは夜中だけのような家庭環境では、なかなか子どもに注意を払えるものではありません。この本を読んで、自身の会社とのあり方を客観的に振り返るきっかけになればと思います。
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