子どもの非行を防ぐには、「どうでもいい」と思えるか
子どもの非行を防ぐには、物事に対して、抱えている問題や悩みに対して「どうでもいい」と考えられるかどうかです。「どうでもいい」と考えることで、物事を抽象的に見ることができるようになります。身の回りの問題や悩みに対してベターな選択をするには、距離をとって突き放す視点が必要です。
自分の地元に魅力を感じないようなものだと思います。私は高校を卒業するまで、東北の宮城県に住んでいました。今でこそ、宮城県には他県に劣らない魅力がたくさんあることを知っています。ですが高校を卒業して地元を出るまでは、地元にある魅力に盲目的だったんです。
例えばJRの駅には初秋になると、壁に紅葉の写真が貼られます。紅葉が綺麗な観光地の写真を貼って、観光客を呼び込むものですが、その写真によく、私の地元である宮城県にある鳴子温泉の写真が使われます。
確かに綺麗なんですよね。紅葉真っ盛りの山の中を線路が走っていて、その上を電車が走っている写真をよく見ます。ですけど、宮城県に住んでいる間、鳴子温泉に対してそれほどの魅力を感じてはいませんでした。あまりにも自分に近い場所にある場所だったので、そこが全国からお客さんを呼べるほどの観光地だと気づかなかったのです。
宮城県に住んでいるときは、どこか遠いところに観光地を見ていたと思います。東京とか、京都とか。近場を見ずに、遠くにあるものにこそ価値があるんだと考えていました。もちろん未成年だったので世間を知らなかったこともあるのですが、それにしてももう目的でした。鳴子温泉に対しては、「おじいちゃんやおばあちゃんが行く所」というイメージを持っていました。
それと牛タン。宮城県と言えば仙台市を連想する人が多いようです。実際、「宮城県」というよりも、「仙台市」と言った方が、全国的には通じるようです。仙台市で全国的に有名なのが牛タンです。関東では「仙台発祥の牛タン」というイメージができているようで、多くの牛タンのお店には、仙台を連想させるキャッチフレーズが見られます。
ですが私は宮城県に住んでいた際、牛タンを食べたことがありませんでした。仙台で牛タンが有名、ということも知らなかったのです。仙台は牛タンの町として知られている事を知ったのは、高校卒業後に地元を離れてからです。実際に牛タンを食べたのは、30歳近くになってからです。しかも東京で。時々帰省もするのですが、いまだに仙台市や宮城県で牛タンを食べたことはありません。
自分にあまりにも近いものだと、その価値に気づかないし、正しく判断することができません。ある程度距離を置いて遠くから見ないと、ベターな判断ができないのでしょう。
自分が好きなものに対して、適切な判断ができないのにも似ています。例えばスポーツで、ある特定の好きな選手がいたり、好きなチームがあったりすると、無条件でその選手やチームが勝つのを信じてしまいます。一番に考えていると、自分の都合のいいように考えてしまって、正確な判断ができなくなるのです。
私の母は、フィギュアスケートを見るのが好きな人でした。日本はフィギュアスケートの強豪国なので、オリンピックでは男子も女子も常にメダルを狙える位置にいるようです。そんな私の母は、テレビでオリンピックを見ると、常に日本人選手が勝つのを信じていました。
日本人選手が演技中に転倒しても、「他の国の選手の演技も大したことなかった」と言って、あくまで日本人選手の勝ちしか信じません。ファンなので、自分が好きなものには盲目的になるんです。日本人選手がジャンプでミスをしても、滑りにキレがなくても、それでも「勝ってくれる」と信じるんです。正しい判断ができなくなるんです。
自分が好きなものは近くに行きたくなりますし、自然と距離が近くなってしまいます。近くにいると一つ一つがハッキリと見えます。自分の満足度が増すこともあります。でもその分、全体が見えなくなるんですよね。全体を見るには距離が必要なんです。「どうでもいい」と思えるくらいの距離をとれば、全体を見られるようになるのではないでしょうか。
全体を見られれば、視野が広がって他の選択肢も見えるようになります。近くに寄っていればAかBしか見えなかったものが、距離を取ることでAでもBでもない、Cが見えるようになります。
気をつけるのは、一つ一つはハッキリと見えなくなる事です。視野を広げるっていうことは、一つ一つの正確さはなくなるんです。遠くから見ることに似ています。一つ一つははっきりと見えなくなるけれど、視野が広がるんです。
もしかしたら一つ一つがはっきりと見えなくなることに不安があるかもしれませんが、それで正しいんです。全体と部分、両方をはっきりと見ることはできません。部分に焦点を合わせれば全体が見えなくなるし、全体を見ようとすれば部分は曖昧になるんです。
物事を抽象的に見るには、「どうでもいい」と思えるくらいの距離を取ることが必要なんです。
「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。
自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。
心よりお待ちしております。
[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]
30分の無料相談を承っています。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。
モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。
下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。
[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]
関連する投稿
- 犯罪を引き起こす要因、犯罪を減らす方法
- 犯罪をなくすためにできること。犯罪を3つに分類して対処する
- 金、地位、名誉をバカにする態度。「高踏的」を紹介する
- 非行グループから息子を離したいのですが、良い方法ありませんか?
- たとえば、子どもに無理にご飯をたべさせることの功罪
現在の記事: 子どもの非行を防ぐには、「どうでもいい」と思えるか