ねじれに対して人は興味を持つ〜本質を見通す100の講義

2018.12.12 (水)

ねじれ、というのを意識したことはあるでしょうか。例えば雑巾を絞る時のことを想像してください。雑巾の端の方と端の方を掴んで、腕をねじる。そうして雑巾もねじれ、結果的に絞れて水がしたたり落ちます。

 

 

この何気無い「ねじれ」というものは、実は人を引き付けるんです。国会にも「なじれ」なんていう言葉があります。おそらく、普通に考えればねじれていないのだと思います。ねじれていない状態、まっすぐな状態が、人にとってはスタンダードなんでしょう。

 

 

まっすぐでない状態、端と端が逆向きになっている状態というのは、おかしな状態なんです。普通でない状態。それなのに、この本ではそれを「本質」と言っているように思えます。著者に言わせれば、本質がねじれているんです。

 

 

というのも、この本で著者が言っていることは、すべてねじれいているような事です。普通であればまっすぐだと思うものをわざわざ捻って書いて、それを本質だと言っているんです。この本のタイトルは「本質を見通す100の講義」となっています。「本質を見通す」、です。ですので、この本の中には本質に関することが書かれているのでしょう。この本に書かれていることは、本質なんです。

 

 

なのに本を開くと、すべてねじれていることが書かれているように思います。逆のことを言っている方に感じます。1の次は2なので、その通りに言えばいいのに、「3だ」と言って飛んだり、「1.5もある」なんてひねくれたことを言ったり、「実は0.5だ」と変なことを言ったりです。一見、イコールにならざるものをイコールで言っているようです。

 

 

なのに、説明を読むとその通りだと感じます。著者の見解が正しいように感じます。「●●は□□だ」とい言っています。当然、この●●と□□は、普通に考えればイコールにはならない。でも「●●は□□」だと言って、その後でイコールでつなぐことができる説明をしています。その説明が当たっているように感じます。

 

 

ということは。ということは、ですよ。普通に見えることの方が、実はねじれていた、ということです。実は初めから、●●と□□はイコールだったんです。私たちはそれをイコールでつなぐことはできないと考えていた。我々には、●●と□□はイコールに見えなかったんです。ですが、著者にはイコールに見えていたんです。で、それを著者は、本質だと言っています。

 

 

一見、本質っていうのは、間違っているように見えるものなのでしょう。奥にあって、モヤがかかったようなものなので、姿をよく見ることができないものなんでしょう。私たちは、よく、表面的な事象にとらわれてしまいます。

 

 

なぜなら、表面的なものとは、分かりやすいからです。簡単に分かってしまいます。「分かっている」というか、「見えやすい」と言った方がいんだと思います。「分かっている」というと、少なからず「考えている」ことが意味的に入ってしまいます。ですが、この場合の私が言いたい「分かっている」とは、「考えている」まで踏み込んだものが入っていないものを指しています。だから、ただ「見えている」状態です。表面的なものは、見えやすいんです。考えなくても安心してしまいます。

 

 

考えるまでもないのです。なぜなら、簡単に見えてしまって、疑いようがないからです。疑う余地もない。簡単に分かったと思えてしまう。無意識のうちに刷り込まれている状態。そんな簡単に私たちが鵜呑みにしてしまうような情報を、表面的なものは与えてくれます。

 

 

ですが、それっていうのは、あくまでも表面的なんです。本質っていうのは、別のところにあります。もっと奥の方です。表面的な茂みをかき分けて、かき分けて、それから到達できる場所に、本質っていうのはあります。簡単にアクセスできないんです。

 

 

誰もが容易にアクセスできない場所にあるものが本質です。だいたい、見える人と、見えない人がいるんですから。見える人には見える。ですけど見えない人には見えない。それが本質です。一人の中にも、見える分野と見えない分野があるのでしょう。

 

 

見えるひとがすべてを見えているとは限りません。ある特定の分野ならば本質を見ることができるけれど、他の大部分の分野では本質を見えていない、というのは往往にしてあるでしょう。

 

 

だいたい、どれが本質か、は人によって違うものです。「ラーメンは具体的か抽象的か」と質問しているようなものです。ただ「料理」と言ったり、「中華料理」という言葉に比べれば具体的ですが、「●●屋の味噌ラーメン」とか「□□店の醤油ラーメン」というよりかは抽象的です。その言葉が具体的か抽象的かは、人によって違うし、その場によってもニュアンスが違ってくるんです。

 

 

何が本質かも、具体と抽象の問いと同じです。見る人によっても違うし、見る角度によっても違うし、時間によっても違うし、モチベーションによっても違うんです。

 

 

「挨拶は基本だ」という人がいるけれど、「しなくちゃいけないのか」と考えると、そうでもないです。挨拶をしてその場が悪くなるようなら、挨拶なんてしない方がいいでしょう。ですが、挨拶もしなくては人間関係も壊れるし。人間関係なんて、どうでもいいけれど、どうでもよくないし。

 

 

そんなモヤモヤとした考えが、日によって変わるし、心の状態によっても変わるし、相手によっても変わるし、場所によっても、年代によっても違います。色々な意見があるし、色々な見方があるんです。

 

 

そんなものです。話を最初に戻すと、世の中の簡単に見えてしまうこと、分かりやすいことは、本質ではないのでしょう。世の中に通説としてあるもの、多くの人が当たり前だと思っているもの、常識だと思っているもの。そんなものは、実は常識ではないんです。ねじれているのに、ねじれていないと思って過ごしています。ねじれている事に、誰もが気づいていません。

 

 

それをこの本で、著者は指摘しているんです。「ねじれているよ」と。誰もが無意識的に「ねじれていいない」と思って、当たり前のことだと思って過ごしているもの。そんな何気無いもの。それに対して、著者は「ねじれているよ」と問いを投げかけているんです。それがこの「本質を見通す100の講義」という本なんです。

 

 

著者にしたら、ただ自分の見方を伝えているだけのことなんでしょう。自分はこう思っている、自分にはこう見えている、自分の目にはこう映っている、ということを、ただただズラズラと述べているだけ、です。ですが、それが世の中の見方とは違っているんで、価値のあるものになってしまうんです。

 

この著者の冷めた目線、距離を置いた考えっていうのは、全体を見る視野です。全体を見ているから、ひとまとまりとして考えることができるから、更に大きなひとまとまりの存在を意識できるんです。普段、私たちは地球を意識していません。地面の上に立っているだけです。ですが周りのものをひとまとまりにして地球と考えると、地球の外にある宇宙とか他の星々を意識できるようになります。

 

 

視野が狭いままだと、なかなか外側を意識することはできません。広い視野を持って、初めて外側や他の選択肢を意識できるようになるんです。

 

 

ですが、人に対して「あなたは視野が狭い」と指摘することは、意味がないでしょう。視野が狭いかどうかは、自分が感じるものです。人から言われるものでありません。誰かに対して「あなたは視野が狭い」と指摘する人がいたとしたら、その人こそ視野が狭いのだと思います。

 


 

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