子育ては他者を気にしないこと〜現代語訳 福翁自伝
一万円札にも描かれている日本の偉人、慶應義塾大学の創始者、福沢諭吉の自伝になります。夏目漱石の「坊っちゃん」のような軽快な口調で、幕末から明治にかけての動乱の時代を語ります。
第一編 幼少時代
第二編 長崎遊学
第三編 大阪修行
第四編 緒方の塾風
第五編 大阪から江戸へ
第六編 初めてアメリカに渡る
第七編 ヨーロッパ各国に行く
第八編 明治維新のころ
第九編 暗殺の心配と様々な試み
第十編 金銭について
第十一編 品行と家庭、そして老後
「子どもには無理に勉強をさせず、体を動かす中で学びを得る」ということが、本書の中に書かれていました。このことは今でも世の中の親たちを悩まし続けます。実際にどうだったのかは分かりませんが、福沢諭吉も「勉強よりも外で遊べ」と子どもたちに対しては思っていたようです。「無理に勉強をさせないこと」「それよりも運動をさせること」とは、今でも世の親たちを悩まし続ける定番です。
というのも、子育てには決まった型がないことが原因でしょう。具体的な成功例が、子育てにはないのです。無い訳では無いのですが、他人の成功例が自分や自分の家族に当てはまる保証はどこにもありません。何を採用するか、どの子育て論を信じるか、信じた結果どうなるか、それらはいずれもギャンブルでしか無いのです。
著者が生きた幕末から明治にかけての時代でも、「勉強よりも外で遊べ」が定番だったのだと思います。著者はそういっていますが、ということは、当時の大部分の人も、小さい頃から子供が本を読むことを推奨する親が多かったのでしょう。昔から、親は子育ての理想として「勉強よりも外で遊ぶこと」を重視していたのです。
何も今日に始まったことでは無いのです。「これからは勉強ばかりしていても仕方がない」とか「外で遊ぶことが人間性を養う」とか色々と言われていますが、これは昨日今日言われ始めたことではなくて、ずっと昔から言われてきたことなのです。
なのに今日も言われているとは。よっぽど実践しにくいことなのでしょう。子どもに対して勉強をさせずに外で遊ばせることが。分からなくもありません、その気持ち。確かに周囲が気になってしまいます。周囲のお父さんお母さんが自分の子どもに勉強をさせていることころを見ると、自分の子どもが遅れてしまうんではないか、と心配になります。周りを気にしてしまう国民性なのです。日本は。
だから結局、いい人生を歩むには、いい子育てをするには、正しい判断をするにはどうすればいいのかというと、自分軸を作るっていうのが大きな割合を占めているのかな、とも思います。人目を気にせずに、自分の信じた道を突き進むこと。
悩みなんてのは儚いもので、自分が思っているほど周りは自分のことを気にしていない、という事実があります。誰もがいかに、自分勝手になっているかです。他者目線は難しいものですが、自分目線は難しくはありません。それどころか、勝手に他者目線を作って気にしてしまっている始末です。
この、自分勝手な自分を客観的に見るっていうのが、問題解決のヒントになるんでしょうね。ついつい落ち入ってしまいがちな自分勝手、主観、わがまま。他人の視線が気になるのは、「他人は自分を見ていない」という事実を無視して、「他者は自分を見ている」と想像してしまうから。
他者を気にしない自分軸を作るには、私は考えることが大事だと思います。というか、考える時間を作るために一人になることです。確かにみんなでわいわいがやがやしていると楽しいのですが、それだけでは表面的なものしか見えないでしょう。
深いところまで考えて、自分の本音は何なのか、を意識するには、一人で静かに考えることが必要です。本を読んで人の話を聞いて、それから自分で考える。そうすると、人に左右されない自分軸が見えてくるのではないでしょうか。一人でいると、ギラギラしたものが表面的でつまらない物に見えてきて、落ち着いた考えを持てるようになるんです。
子育て中の方も、子どもから離れて、自分一人で自分の子育てを外側から見る目を持てると、周りを気にしなくなるのではないでしょうか。
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