語彙力こそが教養である 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
語彙力がいかに大切か、語彙力をいかに鍛えるか、という本です。
人と話すときに、話し相手からにじみ出る教養。知的な雰囲気であったり、頭の悪そうな印象であったり、粗暴な感じだったり。それが表れるのは、見た目だけではありません。話し言葉から如実に表れます。
「まじ〜?」だの「ヤベェ」だの平坦な物言いだったり。毎回毎回、型どおりの同じコメントしかSNSに投稿できなかったり。知っている言葉が少ないために、会話のリズムが遅れていたり。そんな「語彙力が不足しているところに教養のなさが表れる」と著者は説きます。
「どのように語彙力を磨くか」については、インプットとアウトプットについて書かれれています。インプットは読書とテレビやインターネットです。
読書では慣用句や四字熟語を意識します。三国志や夏目漱石、ドストエフスキー、シェイクスピア、論語、などが語彙力を鍛えるトレーニングの読書としてあげられています。
それと、テレビやインターネットによるインプットです。歌の歌詞、アマゾンのレビュー、ドラマの脚本、などが語彙力を鍛えるのに役立つそうです。
確かに良質な番組を選べばテレビもインプットとして役に立つのでしょうが、質の良くない番組も多いだけに、私はテレビをインプットの手段として数えられません。目や耳が肥えて、良質な番組と質の良くない番組を区別できるようになればいいのでしょうが。
語彙力を鍛えるアウトプットの方法としては、特に素読を提唱しています。
難しい本などを読む際、意味を調べる前に、といあえず声に出して読むというのです。その作品のリズム、勢い、言い回しは、声に出して読むと、出さないで読むよりも感じやすいのです。いきなり精読に入るよりも、とっかかりやすいのも理由だと思います。
人と話している際ににじみ出る相手のレベル・教養度は、語彙力からというのが著者の考えです。子どもに教養をつけるには、周りにいる大人が教養のレベルを上げなければならないのは、言うまでもないことです。語彙力にも意識を向けて、日々のインプットとアウトプットを行なってみてはいかがでしょうか。
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