公務員は給付金の10万円をもらうべきか否か。公務員とフリーランスの両方を知っている僕はどう考えるのか

2020.04.28 (火)

新型コロナウィルスの拡大防止に向けた政策の一つ、家計支援を目的に国民一人に10万円を給付する「特別定額給付金」がまもなく始まる。

 

 

以前、橋本元大阪府知事が、「公務員はもらわない方がいい」というような趣旨のツイートをしたことで知られているが、今のところ公務員が給付から除外されるものではない。公務員もこの給付金をもらえるのだ。

 

 

さて、公務員はこの10万円をもらった方がいいのか、それとももらわない方がいいのか。全国の公務員も気になっているところだろう。もしかしたら、疑心暗鬼になっている人や、組織もあるのかもしれない。「あの人はもらうんだろうか」「自分がもらったことは、組織にバレるのだろうか」「周りがもらうんであれば、自分ももらおうかな」なんて、周囲を勘ぐっている状態にあるかもしれない。

 

 

あるいは、もう既に腹が決まっている人もいるかもしれない。「もらったもので新しいパソコンを買おう」とか「子どもに本を買ってやりたい」とか。もかしたら「パチンコへ」「風俗へ」なんて思っている公務員もいるかもしれない。

 

 

僕的には、もらわない方が良いのだと思う。そうでなくとも財源はひっ迫しているのだ。もしも全国の公務員がもらわずにいれば、どれだけのお金が浮くだろう。確かに新型コロナウィルスに対する対処で、忙しくなっている公務員もいるだろう。

 

 

新型コロナウィルスが蔓延しなかったらもっと楽に仕事をしていたものを、ウィルスが蔓延してしまったせいで、時間外勤務や休日出勤などしなければなくなったり。あるいは普段、馴染みがないような仕事をしなくてはならなくなった公務員もいるだろう。そんな人は、「自分には給付金をもらう権利がある」と思っているに違いない。

 

 

けれど、果たしてそれがいかほどのものなのか。新型コロナウィルスに対する対処で仕事が増えたからと言って、それがいかほどのものなのか。時間外勤務が増えたとか、休日出勤が増えたとか、そんなものは公務員になった時に想定内ではなかったのか。

 

 

おそらく多くの公務員は、「臨時のボーナスが入る」くらいにしか思っていないのではないか。「夏のボーナスが2回ある」くらいにしか思っていないのではないか。

 

 

この給付金は、全国の生活がひっ迫している人たちのためのものだ。だから、全国の公務員は考えたほうがいい。自分は受け取るに値するか。自分は受け取った給付金で何をしようとしているのか。

 

 

おそらく公務員は、全国でその日限りの仕事をしている人たちに対して、やや白い目で見ている感があるのではないかと思っている。自営業者や、フリーランスや、被雇用者でも仕事や給料が減った人に対して「だったら公務員になればよかったじゃん」とか「能力もないのにフリーランスになるからだよ」なんて思っている人がいるのかもしれない。

 

 

確かにそれはそうなのだ。新型コロナウィルスの影響で仕事が減っているフリーランスなんかは、安泰な公務員を選べばよかったのかもしれない。十分な稼げるだけの見込みもないのに、危険な道を選ばなければよかったのかもしれない。

 

 

けれど、全国のフリーランスがどういった気持ちでフリーランスをやっているのかも知ってほしい。前提として色々な考えのフリーランスがいるので、すべてのフリーランスがこの気持でいるとは限らないのだけれど、フリーランスの人がやっているのは挑戦なのだ。

 

 

ただただ、いい生活を夢見てフリーランスになったわけではない。「一発当てて大儲けしてやろう」なんて博打感覚でフリーランスになったのではない。

 

 

フリーランスが追いかけている夢は、純粋なのだ。純粋ゆえに、はかなく、ちょっとの想定外(新型コロナウィルスの蔓延)で崩れてしまうようなものなのだ。

 

 

たとえば甲子園を夢見る球児たちを見て、どう思うだろうか。勉強の時間も削って、将来全員がプロになれるわけでもない野球に打ち込む。そんな日々を高校生が送っていることを、どう考えるだろうか。さらには夏の暑い日に一生懸命に自分の学校を応援するアルプス席の応援団を見てどう思うだろうか。

 

 

決して「バカなことをやってるなぁ」とは思わないはずだ。たとえ野球で食えないことがわかっていても、たとえこの瞬間がいっときの高揚感だとわかっていても、それでもプレーしたり応援したりしている高校生に対して、白い目で見ることはないはずだ。

 

 

おそらく、多くの人が「ああ、いいなあ」と思うはずだ。あの一生懸命なプレーを見て、見つめるまっすぐな目を見て、エネルギーが出まくっている応援を聞いて。夢を追うことや目標に一生懸命になることを眩しく感じるはずだ。

 

 

フリーランスになるとは、甲子園を目指してプレーする高校球児のようなものなのだ。一生懸命だし、夢に向かって純粋なのだ。高校球児と違って「甲子園で勝ちたい」ではないけれど、「日本を良くしてやりたい」とか「仕事の概念を変えてやろう」とか「『好きを仕事に』を当たり前にしたい」という夢に向かっているのだ。

 

 

フリーランスが抱いているにあ夢は、下卑たものでもなく、他人に対するマウンティングのようなものでもなく。純粋な、人生に対する挑戦なのだ。

 

 

だから、公務員はそれでも給付金を受け取るべきかどうかを考えてほしい。普段使わない頭を使う、いい機会ではないのか。自分の人生観が試されるし、人生哲学を作るいい機会になる。

 

 

果たして自分には受け取るだけの資格があるのか。自分は受け取った給付金で何をしようとしているのか。公務員はよく考えたほうが良い。

 

 

 

 

 


 

 

 

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