具体と抽象 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー

2017.03.11 (土)

この本は、社会を見る新しい視点を提供してくれる本です。サブタイトルで「世界が変わって見える‥」とありますが、まさに世界が変わって見えます。それは、「具体と抽象」という考えを意識することによってです。

 

 

具体と抽象という考えを通して世の中を見ると、今まで理解できなかったことが理解できるようになったり、今までと難しいと思えていた問題が簡単に思えたりするようになるのです。

 

 

例えばアナロジーというのがあります。これは抽象概念のパクリのことです。目に見える具体的な形なりを真似るとパクリとなり、訴えられることもあるかもしれませんが、抽象概念であればパクっても誰もわかりません。「世の革新的なアイディアは既存のパクリ」とは言われすが、それは抽象概念を真似しているという意味です。

 

 

例えば「あの上司は日ごとに言うことが変わって、指示が一貫していない」と考える部下がいたとします。上司からしたら大雑把な方向を示しているので、指示は一貫していると考えます。この場合、より抽象的な考えで指示しているのが上司で、より具体的な考えで受け止めているのが部下です。「常に顧客に合わせた最善の策を」と考える上司に対して、「指示がコロコロ変わって困る」と言う部下です。話が合わない議論とは、抽象度(具体度)のレベルが違うのです。

 

 

「具体性に欠ける」や「抽象的すぎてわからない」と、何かと悪者にされる「抽象」ですが、考えることを持ってしまった我々人間は、抽象なくしては、もはや生きられないのです。

 

 

具体と抽象とは、一見むずかしそうに思えますが、本書はとても理解しやすい本です。著者の力量が発揮されており、読者にもわかりやすいように工夫されて書かれているのだと思います。

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