小学校低学年の子どもの非行を防ぐためにも、児童虐待を防ぐことはできない理由

2016.01.23 (土)

毎日のように幼児虐待のニュースが流れています。幼児に対する虐待がこれだけ世間で騒がれているので、子どもの泣き声に敏感になっている人も多く、児童相談所などの組織には多くの通報が寄せられている事と思います。虐待と非行は密接に関わっていると言われており、虐待を受けた子どもが、非行に走りやすくなるであろう事は、想像に難くありません。

 

なぜ児童相談所などの組織は虐待死を事前に防ぐ事ができないのでしょうか。子どもを虐待している家庭を特定し、もしくは疑いの段階でもいいので早期に子どもを保護すれば、子どもの虐待死なんて社会からなくなるはずです。
しかし実際には、子どもの虐待死は頻繁に報道されています。日本のどこかで、今も子どもが悲鳴をあげているはずです。早期に子どもを保護する事は難しいのでしょうか。なぜ早期に保護する事ができないのでしょうか。

 

 

子どもを虐待している家庭を特定することは非常に難しいです。「虐待の疑いがあるから」という理由で子どもを早期に保護する事も、なかなかできるものではありません。

 

まず、家庭を特定することが難しいはずです。通報というのは、非常にあいまいなものです。「悲鳴が聞こえた」という内容だけでは特定しようがありません。真夜中に悲鳴が聞こえたとして、ある一定の範囲の家庭(一軒家や集合住宅、声が聞こえるであろう範囲の家庭すべて)を一つ一つ調べるなんて、限られた人数でできるものではありません。
一軒一軒家庭を訪ねて回って、インターホンを何度も押して、やっと家の人に出てきてもらって、訪ねた理由を説明して、子どもがいないか確認して、嘘を言っているかもしれないから部屋を一つ一つ見て回って、子どもがいたら一人一人服を脱がせて虐待の痕がないかどうか確認して、少しでも傷があったらなんの傷なのか聞いて・・なんて事できるわけがないです。

 

そんな協力的な家庭はありません。どの家も自分たちの事にいっぱいいっぱいです。真夜中に突然、行政組織に訪ねてこられても協力する家庭はありません。我々も通報はする・・けれどもそれ以上は関わりたくないのが本音でしょう。

 

早期に保護する事も、なかなかできるものではありません。「疑いがある」だけで全ての子どもを保護していたら、すぐに許容量がパンクしてしまうでしょう。それに、疑いがあるだけで子どもを持って行かれたら、持って行かれた方はたまったものではありません。突然、真夜中に行政組織が家に訪ねてきて、「疑いがあるから」と子どもを連れて行くなんて、ありえないでしょう。

 

児童虐待のある家庭を特定したり、早期に疑いのある子どもを保護することは、どんな国民にでも権利が認められている現代社会ではで容易ではありません。柔軟な動きができない行政組織を当てにせず、柔軟な発想ができて軽いフットワークの新しい方法が求められています。

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