なぜ児童虐待は無くならないのですか?

2015.05.14 (木)

「男児が心肺停止。虐待の疑いも・・」

「死亡した女児の父親を逮捕。虐待で・・」

児童虐待で死亡する子どものニュースや、逮捕される親のニュースが毎日のように流れます。監禁やネグレクト等、聞いている方の心が張り裂けそうなくらい、むごい扱いを受けた子どものニュースも流れます。どうして児童虐待は無くならないのでしょうか?その理由の一つに、「発見しづらい」事があります。

ニュースで児童虐待が報道されると、付随して「行政や警察が、その家庭についてあらかじめ虐待の疑いで把握していた。把握していたのに、なぜ児童は死亡してしまったのか。」等という報道もなされます。

児童虐待はメディアでも大きく扱われ、世間の関心が高いニュースです。警察や行政にも、「近所の子の泣き声」や「近所の家庭のしつけの様子」から、児童虐待ではないかという通報が多く寄せられます。警察や行政は、そのような通報があった場合、必ず訪問するようにします。

しかし、問題はその後です。通報された家庭というのは、警察なり行政の介入を極端に嫌うのです。児童虐待というのは、初めは軽いものでも徐々にエスカレートします。比較的程度が軽いうちにしっかりと警察や行政が家庭に介入し、母親等に指導や助言をできればいいのですが、なかなか通報された家庭というのは、協力してくれません。虐待を隠したいのか、それとも「しつけの範疇だから警察や行政が介入するのはおかしい。」と思っているのか、それとも親失格の烙印を警察や行政から押されるのが怖いのか。

実際、通報があって家庭を訪問したとしても、それが虐待かどうかの判断は非常に難しいです。フィーリングやなんとなくで「虐待あり」。と判断するわけにもいきません。訪問先の家庭にも権利があります。子どもを保護する事はもちろん、傷やあざが子どもの体にあるかどうか確認する事すら、親の協力がなければできません。

通報があって対象の家庭を訪問しても、その家庭に一歩先へ進んだケアが必要かどうか、警察や行政機関には非常に難しい判断です。

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