ハチ・ヘビ危険回避マニュアル 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
ハチやヘビの生態や習性を理解して危険を回避する方法を記した本になります。ですが、読者に対して生き物への親しみを育むことが、本書の裏の目的なのではないかとも思います。というのも、この本がハチやヘビをはじめとする生物に対して、人間っぽさを感じるように説明しているからです。
どうやらハチの世界にも、人間でいう社会のようなものが存在するようです。姉がいて、弟がいて、立場の強い者がいて、対場の弱い者がいて。ハチが人間を攻撃するのも、仲間を守ろうとするからであり、結局はそれが種の存続になるのだと著者は言います。
ヘビが攻撃する際に毒を使うのも、仕方がないことのようです。ヘビの毒は、本来は食べ物を消化する際に使う物です。それを、攻撃された際に生き残るために仕方なく毒を用いているのだと、著者は言います。死んでしまっては元も子もありませんから。ヘビも、死んでしまっては食事をして食べ物を消化することもなくなるので、毒を使うのです。
そんな人間くさい部分から、危険回避の方法を示しているのが本書の特徴と言えます。
本書を読んで得た知識を、子どもと話をする際に使っていただければと思います。知識を頭に詰め込むには興味を持たせることが手っ取り早い方法になりますが、本書の生き物に対する人間臭い部分にフォーカスした視点は、必ずや、子どもに生き物への興味を持たせるはずです。
ハチの生態・習性から考える事故予防
1 ハチに気をつけたい理由と実態
2 「刺してくるハチ」と「刺してこないハチ」を知ろう
3 気をつけたい真社会性ハチ類
4 なぜ家族で暮らすよう進化したのか?
5 生態・修正から考える事故予防対策
6 こんなときどうする?
7 ハチの毒性と応急処置
ヘビの生態・習性から考える事故予防
1 ヘビは有毒生物による死亡例の第2位
2 覚えておきたい毒の有無と性格
3 生きる知恵が詰まったヘビのボディ
4 生態・習性から考える事故予防対策
5 こんなときどうする?
6 ヘビの毒性と応急処置
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