犯罪の厳罰化に何の問題があるのか

2016.10.01 (土)

犯罪というのは非常に複雑です。一概に「良い」「悪い」の白黒を法律で言えるものではありません。

 

確かに悪いことをした人間は例外なく悪い人間です。悪いことをした人間を擁護する気はまったくありません。

 

しかし、人間が罪を犯すに至る過程は非常に複雑です。犯罪を犯した人間がすべて倫理的に悪い人間かというとそうではありません。交通事故の第一当事者が悪人で第二当事者が善人かというと、決してそうではないようにです。被害者が悪人で、その加害者が善人である場合も往々にあるのです。

 

ニュースやワイドショーでは、世間が関心を持ちそうな事件を、わざと世間が関心を持つようにゆがめて報道するケースがあります。ですが報道されている単調なニュースの背景には、その報道に収まりきらない、膨大な人間の思惑が渦巻いているのです。

 

「悪質な少年犯罪が増えているから厳罰化だ」「二次被害を出さないためにもぜひ被害届を」とは言いますが、一つの事件のケースが他の事件のケースに当てはまるわけではありません。

 

一つの事件の報道を見て、人それぞれ思うことはあるでしょう。「この犯人にはもっと重い罪が必要だったのではないか。これでは被害者が浮かばれない。」「悪人が犯罪を犯さないための、社会的な抑止力がもっと必要だ。」と考えることもあるかもしれません。

 

ですが、だからと言ってすぐに「厳罰化だ。」「被害届だ。」では、あまりにも短絡的なのです。

 

犯罪に至る過程や心理は複雑であり、法律という物差しで一概に白と黒の線を引けるものではないのです。

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