型破りの発想力 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
発想の方法について書かれた本です。日本の歴史上の人物、宮本武蔵、松尾芭蕉、千利休、世阿弥、葛飾北斎を例にしています。彼らはどの様に物事を考えていたのか。なぜ彼らは偉大な功績を残すことができたのか。どの様に発想して価値を作ったのか。
著者は、価値の創造とは「ひと工夫」の発想力でいいと言います。発想力とか価値の創造というと、我々は
「何かとてつもなく、どでかいものを作らなければならないのではないか」
「今までとは全く違う、ミラクルなものを考えなければならないのではないか」
「社会の価値を180度転換させる、画期的なアイディアが必要なのではないか」
と身構えてしまいます。
ですが実際に社会に受け入れてられている「価値の創造」の現場を見てみると、そこにあるのは、細かい一工夫の連続です。積み重ねられたひと工夫が、とてつもない価値の創造につながるのです。
「ひと工夫」は、「アレンジ」とも言えます。ちょっとしたアレンジ、「自分ならこうするのにな」「こうした方がいいんじゃない?」という今ある価値をアレンジすることが、価値の創造という発想そのものなのです。
著者はそのほかにも、短期的な「勝負意識」と長期的な「理想の追求」のバランスが大事であること。蛮勇でない、おとななしさを打破するための勇気。型があるからこそ生まれる創造性なども、価値を創造するためには必要であると説いてます。
価値の創造の前で「モンモンとして発想が出てこない」に、前に進むためのステップを与えてくれる本です。
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