本当に階級がすべてなのか。警察ヒエラルキーの、外からは見えずらい本当のところ(その1)

2019.10.03 (木)

「警察って階級社会だよね」

 

ということは、よく言われているところである。が、実際に「階級社会だよ」と警察官が素直に言えるのかというと、そうではない。というのも、警察官それぞれが階級というものは持っていても、その階級どおりのヒエラルキーがあるのかというと、そうでもないからだ。

 

 

その辺りは、警察組織以外の俗世間となんら変わりはなく、いろいろな要因が絡み合ってヒエラルキーができる、ということである。警察組織も「単純に階級なのか」というとそうでもない。世間でも、単純に「お金の多いや少ない」だけではないだろう。

 

 

実際に今している仕事、それまで積み重ねてきたキャリア、家族がいるかそれとも独り身か、ライフワークはどれほど充実しているか、などなど。色々な要因が網のごとく絡まり合って、「あの人は自分より上だな」とか「この人には負けていないだろう」という差別意識が出てくるのだ。その辺りは警察官も同じで、「警部補は巡査より上」とか「警部はエライ」という単純なものではない。

 

 

では、「この警察ヒエラルキーに関して本当のところを記している記事なり文献があるのか」というと、そんなものはどこにも見つからない。たとえば、警察官になりたい学生が読むであろう就職に関する本。これの「警察官になる方法」的な本があるが、これを開いてみると「警察は階級社会である」とハッキリと書いてある。

 

 

これでは社会は良くならない。嘘やタテマエばかりでは社会は改善しない。こんな単純に、短絡的に、安易に「警察は階級社会である」と言っては、戦争や虐殺や非人道的支配の社会に対して肯定しているようなものである。自分の国の首相がおかしいと思うのであれば「首相を代えるべきだ」と言えなければならないし、自分の待遇が正当に評価されていないのであれば「私はもっと評価されるべきだ」と言えなければならない。未来ある若者に読まれるべく本からして本当のことを言っていない。オモテに出すべき本当のところを、オブラートに包んでこっそりとシャリとネタの間に隠している。

 

 

だから、タテマエ抜きで話そう。別に、本当のところを言ったからと言って、私にメリットがあるわけでも、デメリットがあるわけでもないだろう。ただ、「これが本当のところですよ」というのを整理したいだけだ。絡み合った紐があればほどきたいわけで、難解だと言われるパズルが目の前にあるのならちょっとは解いてみたくなる。

 

 

というわけで、複雑に絡み合っている警察社会のヒエラルキーを、「階級社会ですよ」という単純に言うのではなく、もっと奥までのぞいてみようと思う。幸い、「警察」というのはどこに言ってもネタになり、非常に需要があるものだ。

 

 

ドラマでも、漫画でも、小説でも、警察ネタは頻繁に使われているし、昔から使われている割に枯れることがないように思われる。だから、トリビア的に聞いてほしいと思う。「そうなんだ」「そんなこともあるのだ」と。もしくは、いつくるかも分からない、警察から世話になるときのために準備しておいてほしい。

 

 

それは、交通事故や犯罪、ということだ。縁起は悪いし、印象は良くないのかもしれないが、全く交通事故や犯罪に会わずに人生を生きていくこともできないだろう。で、もしも交通事故や犯罪に会った時は、警察の世話になるはずだ。それは、誰にでも起こりうることである。

 

 

もしもそうなった時に、少しでも警察から前向きな処理をされるよう、頭の隅に置いておいてほしい。制服の胸につけている階級章の階級だけで警察を判断すると、事実と異なる社会を見ていることになる。恋愛あり、仕事あり、プライベートありで社会が複雑なように、警察社会も複雑なのだ。そのヒエラルキーは階級のみで決まるような単純なものではなく、かと言って決して外からわかるようなものでもなく。それを解き明かす。

 

 

階級

で、まずは階級をおさらいしてみよう。ネットを検索すると、階級は全部で9個あるようである。「ネットを検索すると……」と書いたが、私は今、ネットを検索して改めて階級について思い返したところである。警察経験のある私ですら階級については疎い。

 

 

上から順に、

  1. 警視総監
  2. 警視監
  3. 警視長
  4. 警視正
  5. 警視
  6. 警部
  7. 警部補
  8. 巡査部長
  9. 巡査

 

となっている。

 

 

警察官どうしがお互いの距離感をつかのに、まずは階級が前提となっていることは間違いないだろう。警察社会では異動があるので、久しぶりに会う人や、知ってはいたけれど初めて会う人、というのがたくさんいるのだ。組織の中で、就職してから退職するまで、出会いと別れを頻繁に繰り返しているのである。

 

 

そんななんかで、久しぶりに会う人と面と向かったとき、相手の階級をまず気にするのは当然のことだ。けれど、初めて言ったとおり、これが全てなのではない。相手との距離感、尊敬できるかどうか、自分の仲間かどうか。それらの判断は、全てここから始まるのだ。

 

 

一緒に仕事をしなければならないのだ。ともに仕事をこなして、お互いを成長試合、刺激しあい、家に帰る時間を早めてくれたり遅めてくれたりもするのだ。そんな背中を任せられるかどうかの値踏みにおいて、階級は一基準でしかない。

 

 

警察官は、誰もが「世間的には階級社会だと思われている」ということを意識している。そういう風に世間体は作っていかなければならないことを理解している。だから、外面は「階級が全て」のような体裁を作っている。その方が楽だからだ。要らぬ波が立たないからだ。

 

 

基本的に仕事は早く終わらせて帰えりたいし、余計な仕事はしたくなく、自分が得意とする仕事をしたいと思っているのが警察だ。だから、要らぬ波を立てないために、外面は「階級が全て」と言っておくのが楽なのだ。だから「警察は階級がすべて」という言説がいつまでもまかりとおっているのだ。

 

本当に階級がすべてなのか。警察ヒエラルキーの、外からは見えずらい本当のところ(その2)へ

 

 


 

 

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