非行を防ぎ、素直な子どもへ

私は、非行に走る子どもは新入社員の様だと思います。両者に共通するのは、「うまく適応できていない」ということです。

新入社員は、入社した会社の環境にまだ馴染めず、居場所がないと感じています。周りの先輩から見れば、「そんな事はこうすれば、うまくいくのに」と思う事でも、本人にとって見れば、簡単なことではありません。学生の感覚からまだ抜けられず、社会人としてうまく振る舞えず、モヤモヤしたものがある状態です。

非行少年も現実の世界にうまく馴染めずに、居場所がないと感じています。商業施設を仲間とウロウロしたり、周囲から浮いている存在感だったり。周りから見れば、「うまく適応すればいいのに」とか「現実に合わせればいいのに」とも思うのですが、本人たちにからすれば、モヤモヤしたものがあって、うまく周囲に合わせられません。

そのモヤモヤは、「自分の考え」とか「プライド」とも呼べないくらいあいまいで、小さいものです。ですが、そのために周囲から浮く存在になったり、反発したくなるのです。

これは、小学校低学年くらいの小さい子どもでも同じです。彼らのモヤモヤは、もっとあいまいで小さいものです。両親の不和を敏感に感じてしまい、家に居心地の悪さを感じたり、友達と言い合いになり、学校に居心地の悪さを感じたりします。
するとモヤモヤができて、モヤモヤのはけ口を探すようになるのです。

先日コンビニでポケモンカード３０枚を万引きして捕まった５歳児は、最近、両親が離婚して父親が出て行ったそうです。私が「お父さんは？」と聞いたら、かわいい声で「離婚した。」と言いました。幼児なのに「離婚」という言葉を話すことに、違和感やむなしさを感じたのを、覚えています。