非行を防ぎ、素直な子どもへ

子どもの非行の原因に、「親との離別」というのがあります。離婚等で親と離別した子どもは、非行に走りやすいのです。

子どもにとって親は必要です。必要な理由の一つは、「支え」です。

人間は、一生涯、精神的な支えを必要とし続ける存在です。一緒に喜んでくれる人。支えてくれる人。子どもにとって、それは親となります。

子どもの支えとなるのは、それが必要な時にその場にいて実際に援助するだけでなく、子どもの状態に対する感受性をもっていて、子どもからの働きかけのうまく応答できる親になります。

子どもにとって親が必要な理由の２つ目は、「しつけ」です。

親の重要な役割として、子どものしつけがあります。社会の一員として受け入れられるような行動様式、技能、価値観などをもった人間に子どもを育て、社会と連携を保持しつつ自己実現の道を歩むことができるような人間に育てることがです。そのためには、発達のコースを歩む子どもの状態や能力を親がよく理解し、それに環境からの要請を考え合わて、必要な内容を適切な方法で教えていくことが重要です。親は小さい子どもよりもはるかに有能な存在です。その有用な存在と社会的な相互関係を持ちながら、子どもは社会の中での一人前の人間となることを学んでいるのです。

しかし、離別によって片親しかいないとなると、支える人間もしつける人間もいなくなってしまいます。離別して一人で子どもを育てるシングルマザーやシングルファーザーは、経済的に苦しいことが多く、子どもとの時間よりも、労働時間を優先する傾向があります。そうすると余計、子どもの支えやしつけができなくなります。

子どもの非行防止のために、親はできるだけ離別せず、一緒に生活したいものです。