怒るにはどうすればいいか
怒るのは慣れだと思います。誰もが怒れるようになれます。一度感情を爆発してみれば、大して難しい問題ではありません。怒るっていうのは相手がいることなので、相手次第で怒りやすいとか怒りにくいっていうのがあります。
怒りやすい相手選ぶっていうのも手です。怒りやすい相手っていうのは、自分が下に思える人間です。例えば年下とか。人間は年を気にしますね。「人間の価値と年齢なんて関係ない」とは誰もが思っていると思うんですけど、それでも年上と面と向かうと自分を下に見てしまうし、年下と面と向かうと自分を上にして見てしまいます。職場でも自分の部下は怒りやすいんですけど、年上の部下よりも年下の部下の方が怒りやすいです。
それと、自分に近い人間の方が怒りやすいですよね。「自分のものならどうにもできる」「自分の所有物なら何してもいい」っていう考えが人間にはあるのだと思います。例えば、人のうちの子どもはなかなか怒れないのに、自分のうちの子どもは怒りやすいはずです。「人のうちの子どもに対して怒る権利は自分にはない」っていう考えがあるんです。
職場でも、隣の部署の若手は怒りにくいですが、自分の部署の若手には怒りやすいです。自分に近い存在なので、「自分に怒る立場だ」「自分に怒る権利がある」と考えてしまうんです。
それと経済的に上か下かっていうのも、怒りやすいか怒りにくいかの基準になります。お金を持っていそうな相手には怒りにくいし、貧乏そうな人に対しては怒りやすいはずです。「お金を持っていそう」「お金を持っていなさそう」っていうのは、服装とか持っているものに表れるので、服装とか持っているもので判断して、怒りやすい相手かどうかってのは判断できます。
いい服を着て、いい車に乗って、いい家に住んでっていう人には、怒りにくいはずです。「自分が怒るのは筋違いじゃないか」「怒っても反撃を食うんではないか」と不安になるからです。逆に、センスのない服を着て、ポンコツの車に乗っていて、ボロボロの家に住んでいる人には、怒りやすいでしょう。「この人間になら自分も強い態度になれる」「少しくらい強く言っても反撃されないだろう」っていう値踏みをするからです。
それと当然ですが、まずいことをした相手とか、失敗した相手、よくないことをした相手。こんな相手がいるときは怒りやすい雰囲気を作ります。まずいことをしたら怒ってもいい、失敗したら怒ってもいい、よくないことをしたら怒ってもいい、っていう意識があるので、窮地に陥っている相手っていうのは怒る相手としては、いい的なんです。
こんな風に、怒りやすい相手とか怒りやすい状況っていうのを意識すると、うまく怒りの感情を増大させて、相手にぶつけることができると思います。これらは1つ1つの状況だけで判断するのではなく、まとめて相互に組み合わせて判断することになります。年下というだけでも怒りやすい相手に違いはないんですけど、その人は来ている服装もセンスがなくて、しかも何かしら仕事で失敗した直後であるっていう場面なら、さらに怒りやすい要件が揃うことになります。
あとは数をこなすと、徐々に怒ることができるようになります。「こういう態度で出れば、こういう口調で言えば、こういう状況で怒れば」っていうのが分かってきます。
だけどここまで書いていて思うんですが、やはり怒るっていうのは情けない人間のすることですね。よく子育てでも職場でも怒る行為を正当化する論調があるんですけど、それっていうのは言い訳でしかないですね。負の感情に流されてしまった人間の言い訳です。
「俺は誰が相手でも言いたいことは言う」「上の立場の人間でも関係ない」って人はいるんですけど、やはり怒りやすさ怒りにくさを考えると、自分よりも下の立場の人間に対しての方が怒りやすいはずです。「怒ると叱るは違う」っていう言い訳もあるんですけど、安易な安直な行動に負けていることに違いはありません。
一回、怒りの感情を持ってしまうと、その簡単な方法をまた使いたくなります。怒って人を動かすことを覚えると、何回も使いたくなるんです。自分は動かないで、怖い顔をして口だけ出せば相手が動いてくれるようになるんで、ついつい使ってしまいたくなる。これほど楽に人を動かせる方法もないんです。
だけど、そこにあるのは人間のエゴです。怒りやすい相手に対して、自分の価値観やエゴを押し付けていることでしかありません。もし「自分は怒れない」とか「自分は怒り方を知らないので、怒れるようになりたい」なんて思っている人がいるのなら、そのことを悪いことだと考えない方がいい。
確かに怒ることを感情のコントロールと考えれば、「コントロールできないよりかできた方がいい」と考えるのも分かりますが、怒ることを覚えてしまうと、怒らないでいることが難しくなります。怒ることができない人が、怒れるようになるのは簡単です。だけどそれはしない方がいい。怒ることができない人は、気持ちがわからなくはないですが、安易に怒ることに対して憧れをもたないほうがいいでしょう。
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