滑稽な自分に気づく〜自己矛盾劇場

2019.03.02 (土)

またすごい本が出版されました。細谷功さんの本。具体と抽象、無理の構造、アリとキリギリス。それに続く感じの本「自己矛盾劇場」です。

 

 

私がこの著者の本をよく読んでいるのは、これこそが世の中を平和にする唯一の方法だと思っているから。社会から犯罪をなくし、トラブルの目を刈り、非行を駆逐し、悪人を一掃するための思考法。全ては気づくこと。自分が馬鹿な事をやっているってことに気づくこと。自分が滑稽なことをしていることに気づくこと。

 

 

笑っている自分が、実は笑われている行動をとっているんです。自分が滑稽なことをしていることに気づけば、世の中から犯罪は無くなるでしょう。視野を広く持つこと。具体に囚われずに抽象に目を向けること。1つの価値観にとらわれないこと。主観にとらわれるのではなく、客観の視点を持つこと。そんなことが、世の中から犯罪をなくすには必要なんです。でもって、そのためにはこの著者の本がとても参考になる。

 

 

人に対して詰め寄る人、威圧的な態度をとる人、喧嘩腰の人って言うのは、自分が滑稽な行動をとっていることに気づいていない。自分の行動こそが一番おかしいっていう認識がない。それはつまり、周りにが見えていないということ。自分を外側から見るもう一人の自分を作れていないということ。具体にとらわれているということ、です。

 

 

例えば、店員と喧嘩するガラの悪いお客っていうのをよく扱います。小売りっていうのは、時々マナーの悪いお客とのトラブルの現場になるんです。でもこのお客対店員のトラブルっていうのは大抵、お客の方に非があるんです。だって、店員に対して因縁をつけているんだから。店員からお客に因縁をつけることはまずありません。

 

 

店舗でのトラブルのほとんどは、お客から始まっているんです。で、こんな客がよく言うんですよ。「店員の態度が悪い!」ってことを。一番態度が悪いのは自分のことなのに、そのことに気づいていない。むしろ、不正を指摘する自分は勇気があっていいことをしている、と思っている可能性が高いものです。

 

 

他にもこの本には、たくさんの自己矛盾が載っています。すべて身の周りに転がっている「あるある」感が満載のネタ種集です。例えば、「全社一丸となって多様性を追求します」という自己矛盾。多様性を追求するなら、多様性を受け入れないことも多様性の一部なのでは? と突っ込みたくなります。もっともです。

 

自己矛盾劇場を読むと、客観の視点が手に入ります。それまでの滑稽な行動をとっていた自分を戒めるための、とてもいい教科書です。

 


 

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非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

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