本を読むことは、穴に落ちることである

2019.08.20 (火)

本を読んでいて、穴に落ちるような感覚に襲われることはないだろうか。ヒューっと落ちていって、ストンとはまるのである。例えば、ジェットコースターに乗ったことがあれば、落ちるという感覚を経験したことがあるだろう。ジェットコースターに限らず、絶叫系の乗り物ならば、この感覚を得られるのかもしれない。如何せん私はバンジージャンプやスカイダイビングをしたことがないので想像でしかないが、バンジージャンプやスカイダイビングは、最もこの落ちるという感覚を表しているのだと思う。

 

 

この落ちる感覚が、本を読んでいるときに感じられる、最も至福な時なのではないかと思う。落ちるのである。本を読んでいる、ということは、何かしらの解決したい課題が目の前にある状態なのだと思う。普段から悩んでいて、それを頭の中にストックしている状態である。「いつか解決してやろう」あるいは「いずれ解決しなくてはならない」と、頭に棚上げしている問題があるのである。

 

 

すぐには解決できないから、「本を読めば解決でいるのではないだろうか」と期待して読むわけであるが、その問題の解決方法が、本を読んで見つかった時、この「落ちる」感覚は、訪れるのである。丁度、ジェットコースターに乗っているときに、ヒュンッと下に落ちる感覚を味わうことができると思うが、丁度その感覚である。

 

 

 

それは、いわゆる「見つける」ことができた状態である。「これこれ!」という気持ちである。普段からストックしていた問題に対して、うまい具合に解決方法を見つけることができた感覚。椅子に座っていながら、机の前にいながら、部屋の中にいながら、落ちる感覚を得ることができるのである。

 

 

この感覚は、突然に訪れる。本当は期待していないのかもしれない。あるいは、「解決方法が見つかるかもしれないし、見つからないかもしれないし」のようなギャンブルのような感覚なのだと思う。今読んでいる本から、すぐにその解決方法が見つかるかもしれないし、それとも明日読むであろう本かもしれない。それかもっと先の未来に読む本かもしれない。そんな風に読書とは、期待しているようで期待していないのだ。「見つかればラッキーかな」という感覚で読んでいるのだ。それなのに、今読んでいる本から見つかるのだから。突然に、この落ちる感覚は訪れる。期待していなかったのにいい情報が得られるものだから、嬉しさがあってのこの「落ちる」感覚なのだろう。

 

 

落ちた後は、はまるのである。「落ちる」とは、解決方法が見つかること。それに対して「ハマる」とは、その解決方法が、うまく目の前の問題を解決してくれるに足るものだという確信を得られる状態である。落ちて、ハマる、のだけれども、この2つの感覚は同時に訪れる。ハマるのがわかっているから、落ちる感覚も得られる、とも言える。

 

 

この落ちてハマるがあるから、本を読むことはやめられない。もしかしたら、この感覚は固有のものかもしれない。インプットであれば、本当はなんでもいいのかもしれない。本を読むのに対して、話を聞くのでもいい。私はたまたま一人で本を読むときに、この落ちてハマる感覚が得られるのであるが、もしかしたら、人から話を聞いているときに訪れる人もいるのかもしれない。

 

 

でも、本を読むことは、このギャップがいい。一人でいるにも関わらず、落ち着いているにも関わらず、静かにしているにも関わらず、落ちるのである。それは急に訪れるから、快感にまで感じるのだ。あらかじめ「穴がある」と分かっていれば、わざわざ穴に落ちることもない。穴に落ちたとしても、それほど意外性を感じるものではない。なぜなら、穴に落ちる前から「穴がある」とか「落ちるかもしれない」と予想がつくからである。でも、穴があることが分らなかったら、穴があることが予想できなかったとしたら、穴に落ちる前と落ちているときにギャップは、相当なものになるだろう。

 

 

本を読むとは、急に現れる穴に落ちてしまう、静かにしていたのに突然、穴に落ちてしまう、というギャップが快感に思えるから楽しいのだ。突然訪れる、悩みに対する解決方法。急に現れる、問題から解放してくれる穴。「不思議の国のアリス」ではアリスが突然、穴に落ちて不思議の国に舞い降りてしまうのだが、本を読むというのも、不思議の国に舞い降りることなのかもしれない。突然訪れる「穴」に落ちてしまって。他のインプットと違うところは、そのギャップにあるだろう。座って本を読んでいたら突然、椅子に穴が空いて、ヒュッと落下するのだ。問題が解決される、期待と喜びと驚きが襲ってくる、至福の瞬間である。この落ちる感覚があるから、本を読むことはやめられない。

 


 

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