世界の中の「自分」という意識〜僕はどうして小屋で暮らすようになったか

2020.06.10 (水)

 

「けれども自分には、この人生が、今という時間が、ここという場所が、無数の人生の中から、長い歴史の中から、広い宇宙の中から、どういうわけか一つだけ、固有のものとして与えられている」

(本文エピローグより引用)

 

 

考えてみれば自分とは不思議な存在で、どうして自分はこの「世界を認識している」という感覚を持つのだろうかと奇怪に思う。

 

 

今、窓の外には緑色の木々が立っていて、空にはうす青い「空」があって、その周辺には白色の雲が漂っていて。目の前には木製の机があって、その上にはパソコンがあって、本があって、スマホがあって。自分とは違う存在である僕の子どもは、これからスポーツクラブに行こうとしていて、僕が買った自転車に乗ろうとしていて。彼は、僕にとっては嫌でもなんでもないのに、時々自転車についているクモの巣を触れないほど嫌がっていて。

 

 

自分がいるこの世界には、多くの人が存在している。少なくとも一般的にはそう言われている。世界には何億人という人々がいて、それぞれが自分という意識を持っていて、固有の生活をしている。一人で住んでいる人もいるし、家族と生活している人もいるし、仕事で多くの人と接点のある人もいる。

 

 

自分で仕事をつくろうとすると、自分を深堀りすることが大切だと言われる。個性を出すことが重要なのだ。個性を出さなければ、他の人と同じでは、社会の中で自分という存在を見つけてもらえない。それではビジネスにならない。

 

 

個性を出す上で大事なのは、純粋な気持ち。自分固有の気持ち。自分の心の奥底から涌き上がってくるモノを感じるられるかどうかだと言われている。

 

 

ビジネスは他人との競争である。他人と同じようなことをしていては、大きい方、強力な方、お金がある方、信頼されている方が選ばれてしまう。だから同じ土俵で闘うことをさけるために、自分が他人とは違う部分を表に出してアピールしなければならない。

 

 

「自分はこれが出来ますよ」「自分はこんなことが得意ですよ」「自分はこんな事が好きですよ」「自分はこんな人間ですよ」というアピールである。けれどこのアピールも表面的なものでは長続きしないし、それではビジネスとしての耐久性を備えているものにはならない。

 

 

他人との競争である仕事とは、甘いものではない。耐久が無くてはやっていられない。他人から批判されることもあるし、他人から嘲笑されることもあるし、他人から競争でコテンパンにやられてしまうこともある。

 

 

そんな厳しい現実の中で、それでもやめたりせず、諦めたりせず、確実に前に歩を踏み出せるかどうかは、自分という人間がどれだけ他人とは違っているかという確信が必要なのだ。

 

 

アップル社のキャッチコピーで「think different」というのがあったけれど、他人と自分との差異を認識するということが、ビジネスでは(特に自分という存在で闘う起業では)大切なのだ。

 

 

けれど、この自分探し。つまり他人と自分との差異を見つけるという作業が厄介でならない。自分と他人との差異を見つけようとすると、何が自分のオリジナルで、何が自分のオリジナルでないのか区別がつかなくなる。

 

 

ビジネスで耐えられるのは自分のオリジナルだけだ。他人からの受け売りで言葉を発していたところで、そんな言葉に力はないし、他人からの受け売りで突き進んでいたとしても、いずれ「なんか違うなあ」と諦めてしまう。

 

 

例えば意識高い系の人たちは、そろって同じことを言っているような感じはしないだろうか。「他人は気にするな」とか「本を読め」とか。他人の言っていたことの受け売りなのか、自分がゼロから考えたことなのか、どっちなのかわからなくなってしまうのだ。

 

 

「自分の考え」に、「他人の影響」という不純物を感じてしまう。自分の考えだと思って、その考えをもって突き進んだとしても、しばらくすると「もしかして自分の気持ではないのかも」と思ってしまう。

 

 

どっちが自分の考えなのか、何が自分の考えなのか、どれが自分の素直な気持ちなのか、わからなくなってしまう。自分と他人という存在が曖昧に感じて、社会が何かとてつもない恐ろしい想定外のものに思えてくる。一般的に言われている多くの意識がある世界認識が崩れてしまう。「世界に自分がいて、同じように他人がいる」という当たり前のことが、自分の勘違いであるかのように思えてくる。

 

 

著者の本を読んで、改めてそんなことを考えた。おそらくこの著者は、社会の中に存在する多数の中から、自分という存在を特別視しすぎているように思う。悪いことではないし、むしろそんなことで悩める著者が羨ましいとすら思う。

 

 

無限という数は、たとえば1000億を1000億倍にしたとしても、まだ始まりですら無い。そんな膨大な数の意識が、おそらくこの宇宙には存在している。時間の流れの中の「今」という区分ですら膨大なのだ。人間ばかりでなく、動物や虫なんかも含めて、この宇宙には巨大な意識が存在している。過去も含めれば、その数は想像を絶するものである。

 

 

その中で、どういうわけか自分という意識が僕には備わっている。他人とは違う自分。自分固有のモノを持った自分である。そんな自分という意識について思いを馳せる本だった。

 

 

 


 

 

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