ルーレット族が逮捕されて他人事だと思っていないか。本当に取り締まるべき悪は自分でも気づかないほど身近にある

2020.06.11 (木)

首都高を猛スピードで走ることを最近では(?)ルーレット族というらしいが、「ルーレット族の男が逮捕された」というニュースが流れていた。

 

 

ルーレット族とは関西地方では環状族とも呼ばれ、環状道路とを一周するタイムを競う行為だという。ウィキペディアによると、

 

 

「関東地方では主に首都高速都心環状線、関西地方では阪神高速1号環状線、東海地方では名古屋高速都心環状線などの感情型の自動車専用道路に出没する。関東地方では芝浦、辰巳、箱崎などのパーキングに集まり、集会のスタート地点として利用している場合が多い。そのため各PAにおいては特に深夜、一般車の利用を妨げているほど混雑することもある。年に数回警察による違法改造車の摘発がこうしたエリアで行われている。近年、経済が急発展している隣国の中国でも裕福な子弟で構成された暴走族の出現が社会問題化し初めているが、同国では暴走族全般の総称として「ルーレット族」と呼称されている」

とのことである。

 

 

ルーレット族の男が逮捕されたとのインターネットニュースのコメントとして、「警察は一時停止の取締りなんか小さいことをやっていないで、こういう奴らを取り締まった方がいい」というのがあったが、僕はこれに反対する。大掛かりな逮捕と細かい取締り、どっちも大事だけれど、どっちかと言うと細かくて小さい取締りの方を重点的にやった方が、遵法精神を作りやすいのではないかと考えている。

 

 

どっちも大事だと思うのは、細かい取締りにも需要があるからである。車の走行に対して迷惑に思っているのは、何も首都高なんかの大規模な暴走族に対してだけではない。住宅街の中での暴走、身近な生活範囲の中での迷惑走行に対して嫌な思いをしている人が、必ずいるからである。

 

 

インターネットニュースやSNSを見ていると、どうしても警察に対する苦情の方が目立つ。「こんな所で取締りなんかするな」とか「もっと大きいことをしろよ」といった、街なかでの細かい取締りに対する文句である。

 

 

けれど、これは必ずしも警察に対して悪い印象を持っている人が多いのではなく、警察の取締に対して文句を言いたい人が多いのでもなく、ただ単に「文句とか苦情の方が世の中では目立つ」という、ただそれだけのことだ。何もない水面よりも、波紋が漂っている水面の方が目立つのと同じで、何もなければ印象に残ら何が、波紋があると印象に残りやすい。

 

 

警察をやっていると思うのだが、警察の活動を快く思わない人がいる一方で、警察の活動に対して好意的な人が同じように存在している。警察の取締に対して「こんな所でするなよ」とか「そんなことするなよ」と思う人がいる一方で、「ここで取締りをしてくれて助かる」という人が必ずいるのだ。そんな好意的な人は普段、目立たない。

 

 

これはおそらく、陽が当たるから陰ができるようなもので、針が振れるということは、どちらか片方にのみふれるのではなく、両方に振れる、ということである。人間の感情には好意的な感情がある一方で、憎悪の感情も存在する。

 

 

人気のある芸能人でも、ファンがいるのとおなじようにアンチがいる。自分の子どもは可愛い存在であるが、その分、自分(親)の思い通りにならないとイライラしてしまう自分がいる。SNSで発信しても、批判されるときというのは、共感してくれる人もいるときである。

 

 

なので、決して多くの人が警察の取締りに対して批判的だと思わないことだ。よく思わない人がいるのと同じくらい、よく思っている人もいる。けれど、印象に残るのはよく思わない人の誹謗中傷だし、よく思っている人というのはわざわざ口に出して謝辞を述べたりしない。それだけのことなのだ。

 

 

それと、「遵法精神の土台をつくる」という意味では、首都高の取締りなんかよりも身近な住宅街での取締りの方が優れていると僕は思っている。というのも順番としては、「身近な生活圏での逸脱行為→生活圏外での逸脱行為」だからだ。

 

 

草が伸び切ってしまうと、それだけ切るのが難しくなる。野球のピッチャーでも、良くない癖は早めに直しておく方がいい。ある程度できあがってから癖を直そうとすると、無理にモーションを変えなくてはならない。それと同じで、逸脱行為も早めに潰しておくに限る。

 

 

なにより、本質的な悪とは身近にあるものである。悪らしい悪は、目立っていてわかりやすいという意味では、悪質性は低い。本当に排除しなければならない悪とは、身近にあるものだ。自分では気づいてすらいない、内に潜む悪。「あいつら(ルーレット族などのわかりやすい悪)に比べて、自分は大した悪いことはしていない」とか「あいつらと自分は違う」と思っている者にこそ、「あなたのやっているちょっとした逸脱行為は、彼らとなんら変わらない」ということを教示しなければならないのではないだろうか。

 

 

犯罪者が捕まるニュースや、凶悪な事件のニュースを見て、「世の中ではこんなことをする奴もいるんだ」なんて他人事のように考えていて、自分は関係ないと思っている人がいる。「自分も気をつけよう」とか「自分も同じようなことをやっていたかも」と、自分ごととして考えられていない人間の逸脱行為こそ、本当に取り締まらなければならないものなのだ。

 

 

 


 

 

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