子どもに自信をつけて非行に走るのを防ぐには
子どもの非行を防ぐには、個性を伸ばすことが大事です。
子どもの非行を防ぐには、「のめり込むものを見つけて非行に走っている暇を与えない」のが方法になります。じゃあどうしたら「非行に走っている暇なく、物事にのめり込めるのか」というと、それが個性になります。アイデンティティです。子どもの「自分はこれが好き」ってやつです。
で、この個性とかアイデンティティを考える際に抑えて置かなければならないことなんですけど、この「自分はこれが好き」っていうのは、基本的には他人との差異で生まれます。他の人と同じであれば、それは差異にならず。っていうことは、個性にもならないってことです。周りの人と同じであれば、個性にはなりません。
確かに周りの人と同じものが好きっていうことは往々にしてありますよね。「ゲームが好き」「テニスが好き」「走るのが好き」「勉強が好き」。これらのものが好きである場合、必ず他にも好きな人がいます。これらのものを好きになった場合、自分ひとりっていうことはありまえません。ですがその場合には、まだまだ掘り下げが甘いんです。
子ども自身が意識する必要は特に無いのかもしれませんが、「ゲームの何が好きなのか」「テニスのどういうところが好きなのか」「どうやって走ることが好きなのか」「どうして勉強が好きなのか」ってな感じで、もっと掘り下げると、より際立った個性になります。
どんな時に掘り下げる必要があるのかというと、上手くいかなくなった時に、掘り下げておくと飽きずに飲める込め続けられます。たとえば「テニスが好き」という子どもがいたとして、なかなかチームの中で一番になれないとします。どちらかというと下手くそな部類に入っているとします。
そんなときに、基準をただ単純に「上手さ」とか「一番になったかどうか」にするのではなく、他のところに持ってくることができていれば、周りに流されずに「自分は自分だ」と考えられます。「たとえ一番にはなれなくとも、自分はラケットをふっている時が気持ちいいんだ」「テニスの試合で成績は上がらないけれど、テニスにおけるバックハンドにだけはこだわりたい」とか。
親としては、ついつい有効性のある個性を伸ばしたくなるのですが、そこは我慢するところです。マイナーな趣味よりもメジャーな趣味を持ってくれたほうが、親としては安心ですよね。人生で役に立たない「好き」よりも、人生で役立つ「好き」を見つけてくれた方が、親としては安心です。親としてもやっぱり、「何位か」とか「何着か」とか「何番か」っていうわかりやすい順位を気にします。
けれど、それでは個性としてはレベルが低いです。多くの人が気にするところは、それだけ周りと同じになりますから。
たしかに順位って気にはなる。それっていうのは、順位は具体的でわかりやすいからです。けれど、そんなわかりやすいところばかりを見ていたのでは、「好き」の意味がないんですよね。せっかく好きなものを見つけたのであれば、単純な順位なんかにはとらわれてほしくないですね。
周りとの差異が個性であってアイデンティティですから。そこで「順位」なんていうわかりやすいものを念頭に置いてとりくんでいるのですは、周りと同じになってしまいます。ぜひとも自分だけのオリジナルの価値観、オリジナルの視点、オリジナルの「好き」にまで掘り下げてほしいです。
19世紀イギリスの哲学者で、ジョン・ステュアート・ミルがいます。彼の著書で自由論っていうのがありまして、これは「個人に対して社会がどこまで自由を制限できるか」ってのを書いた古典なんですが、この本の第三章は「幸福の要素としての個性」となっています。人が幸せになるためには、個性が必要なんです。
「人間が、高貴で美しい存在として考えられるようになるのは、(中略)それぞれの個性が、他人の権利や利益を損ねない範囲で、のびのびと育ち、成長することによってである」
よく「子どもの自信をつけるには、一番のものを見つけること」なんて言いますが、これは間違いなんです。どうして間違いかと言うと、自信をつけるには「一番のもの」を見つけるのではなくて、「他人との違い」を見つけることだからです。
「順位が一番」というのも、「他人との差異」の中の一つでしかありません。確かに「順位が一番」ってなると、その事自体が「他人との違い」になるので。けれど「違い」は順位だけではないんです。
「自分はこういう性格だ」「自分にはこういう特徴がある」「自分はこういうタイプだ」
そんな、他人との違いがアイデンティティの確立だし、アイデンティティが確立されれば自信になるし、自分に自信がつけば、非行なんていう余計なものに時間を奪われることもなくなります。
親としては「自分の好きを見つけてほしい」と思ったときに、「小さなことでも一番を見つけてほしい」っていう意味で捉えると思うのですが、それではまだ甘いです。自信は競争の中から生まれるのではなく、周りとの違いの中から生まれるのですから。
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ようやくできました。「妄想スナイパー理論」です。タイトルは「インパクトがある方が人目につくかな」と思って、こんなタイトルにしていますが、中身は「犯罪と非行をなくして、思いやりを育む方法」になります。
思いやりってけっこう、掴みどころのないものだと思うんですよ。昔から「思いやりを持ちなさい」とか「思いやりが大事です」なんて周りから言われることは多いと思いますが、「それって何なの?」「それってどういうこと?」と聞かれた場合や、「どうやって持つことができるの?」と疑問に思ったときに、うまく答えられないと思うんです。
そこで、一つの具体案として、「思いやりとはスナイパーのようなものだ」というのを示したいと思います。スナイパーとは、遠くから銃で相手を狙う、狙撃です。思いやりとは、スナイパーのようなものなのです。もちろん、思いやりは頭の中のことなので、実際に銃なり狙撃なりはしませんが、遠くから狙うすスナイパーと思いやりは、似ているんです。
スナイパーと思いやりはどうして似ているのか。スナイパーと思いやりの間の共通点とは何なのか。スナイパーと思いやが似ているのだとしたら、思いやりを育むにはどうすればいいのか。そんなことを、この小冊子に載せました。35,222文字です。目次はこちらで公開しています。
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