いじめは7時間で解決できる! 〜 非行防止の子育てや原因・家庭環境・少年の心理を探る

2015.12.14 (月)

いじめを苦に自殺する生徒や児童が、全国で相次いでいます。学校が主な生活範囲である小学生や中学生にとって、学校でのいじめは心に深い傷をつけ、ぐいぐいと彼らを苦しめています。
この本は、いじめ問題を解決するための本です。著者は現役の長野県教師の方です。著者が現役の先生だからこそ、学校生活という現場が、文章の中に非常にリアルに表されています。

この本の構成は以下のとおりです。
1 いじめの始まりのサインを見逃すな!
2 教員チームが結束して体当たり「いじめ七時間解決法」
3 三つの事例で検証いじめからの巣立ち

この本を読んでいると、自分の小学校生活や中学校生活の情景が、頭の中に思い出されてきます。自分自身がいじめられていた小学校や、他の生徒がいじめられているのをはたから見ていた中学校での思い出が、頭をもたげます。
この本から特に感銘を受けたのは、以下の部分です。

・いじめで難しいのは、生徒たちがなかなか口を開かないこと。
・いじめの有無を探る過程においては、「いじめ」という言葉は一切使わない。
・大人はあなたが思っているより、ずっと賢く頼りになる存在です。
・もし子どもたちが「きもっ!」だの「うざっ!」だのと言っているのを見かけたら、そのたびに何度でも口を酸っぱくして注意する必要がある。
・いじめとは、口をきかない、無視する、物を隠す、悪口を言う、からかう、バカにする、意地悪をする…。相手がイヤがること、傷つくことをする。そのすべてを意味します。
・子ども社会では、大人たちがどんなに最新の注意を払っても、悲しいかな、起きてしまうのがいじめ問題です。それは生徒自身が伸びよう、がんばろう、友だちの輪を広げようとする自然なエネルギーのすぐ傍らに、いじめにつながる原因があるから。

どれも、あの頃の自分に言って聞かせたい言葉です。

この本を読んでいると、教師の方の苦労や、思料深さを随所に感じます。こんなにもアレコレ生徒たちのことを考えているし、こんなにも先生たちは頼りになるということを、あの時の自分は知りませんでした。

我が子には、いじめを跳ね返すほど強くなってほしいと思っていますが、なかなかそう強くなれるものではありません。我が子も、必ずいじめと向かい合う時がやってきます。

この本が、いじめを考える全国の人の一助になればと思います。

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