モノ雑誌トレンディーの記事を読んで、子どもの自主性について考えた話

2020.03.16 (月)

僕はコラムや記事を書くときに、よくインターネットカフェを利用する。どうしてか。

 

 

まずは「家で書けばいいじゃん」という声が聞こえてくる。確かに家で書いてしまえば、それに越したことはない。家にいれば移動時間もないので、一番時間を無駄なく使える方法だろう。昨今のコロナウィルス感染に関しても、感染する心配もない。着替える必要もないし、リラックスして過ごすことができる。

 

 

が、家ではダメなのだ。僕は外に出た方が書ける。というのも、家ではリラックスしすぎて、書くこと自体をやめてしまった経験がある。「強制的に書かなければならない環境づくり」という意味で、家の外に出るのである。「ここまで来てしまったのだから、書かないわけにはいかない」と自分に言い聞かせるのだ。

 

 

次に「ネットカフェよりももっと値段が安い場所で書けばいいじゃん」という声が聞こえてくる。確かにネットカフェは、他のカフェと比べて安くはない。いればいるだけ利用料を取られる。マックなら何時間でも100円のコーヒーで利用できるのに対し、インターネットカフェは3時間で500円〜1000円くらいだろう。

 

 

果たしてそこまでしてネットカフェで書く理由は何なのか。

 

 

それは、雑誌や新聞の豊富さにある。図書館のようなものだと思ってもらえればいい。もし僕がコラムや記事を書く時間帯である早朝に、開館している図書館があるのなら、僕は間違いなくそこを利用するだろう。残念ながら、少なくとも僕の家の近くでは早朝に利用できる図書館はない。

 

 

ネットカフェは、雑誌も新聞も豊富で、いくらでも読むことができる。日経新聞あり、読売新聞あり。雑誌も、モノ雑誌やファッション雑誌や映画雑誌と、豊富にある。雑誌や新聞というのは、当たり前だが「最新」を届けてくれる。「今現在、何が流行っているのか」だ。確かに流行に左右されない自分のベースとなるもの、変わらない価値観、普遍的に良いと言われるもの、を自分の中に蓄積することは大切だ。それはそれで、時や場所に囚われない武器になる。

 

 

けど流行ものを目で追いかけることにも、それはそれでベーシックなものを追いかけるのと同様に価値がある。ファッションやモノなど、実際に買うとなると限りなくできるものではないが、少なくとも目で追いかける分には限りなくリスクは少ない。

 

 

流行ものを追いかけると、感性が養われるのだ。敏感になる。「落ち着く」のとは逆で、積極的になるのだ。流行ものは、追いかけなければ意味がない。今を読もうと、自分が追いかけるスタンスになる。ケツを叩かれる状態、ブースターを取り付けられた状態である。

 

 

落ち着いて一呼吸おくようなスタンスも、それはそれで大事だ。けど、落ち着いた態度には全体を見る視点があるが、最先端を見る視点が欠けるという欠点がある。ゆったりと余裕をもって、行動するのもいいが、それでは一番前を取れない。一番前をとるには、流行を追いかけて、周りに敏感にならなくてはならないのだ。

 

 

要は、「流行とベーシック、どっちも大事だよ」である。

 

 

なので、今日もネットカフェでこのコラムを書いているのだが、「何かコラムのネタになるようなものはないか」と思って見ていた、モノ雑誌トレンディー(2020年4月号)の中で、面白い記事を見つけた。

 

 

「行動経済学の権威ダン・アリエリーが語る『消費の幸せ』」という記事で、これは「『幸せ』をつかむ戦略」というビジネス本の宣伝記事である。僕もずいぶん前に、ダン・アリエリー氏の著書「予想どおりに不合理」を読んだ記憶がある。

 

 

で、今回のトレンディーの記事は、記者のインタビューにアリエリー氏が答えている形式なのだが、その中でアリエリー氏は、「幸福度をアップさせるには自主性が大事だ」と言っていいる。

 

 

「自主性」というと、子育てにおいては避けては通れない単語ではないか。というのも、どの子育て本を開いても「自主性が大事」ということを言っているからだ。子育てをする際に、どうして子どもの自主性を育むのが大事なのかというと、おそらく「子どもの将来のため」という意見が返ってくるだろう。

 

 

「子どもに自主性を育んでもらい、自分から積極的に生きる人生を歩んでほしい。そうすれば人生が開け、幸福を得ることができるだろう」と、こんな風に多くの人は思っているのではないか。

 

 

が、違うのだ。子育てにおいて自主性を重んじるのは、「子どもの将来のため」よりも、「自分から人生を開いて幸福を得るため」よりも、もっと大事な要素がある。それは、自主性そのものが、子どもを幸せにするということだ。

 

 

子どものみならず、人が幸福を感じるのは、自分に自由が与えられているときだという。具体的にいうと「選択肢」だ。たとえばアマゾンよりも本屋の方に幸せを感じるのは、選択肢が豊富だからだという。アマゾンでは、オートで「あなたが好きなのはこれでしょう?」というおすすめが表示される。

 

 

それに対して本屋では、もっともっと選択肢が豊富である。行くも行かないも自由。買うも買わないも自由。豊富な本の中から自由に選択することができる。

 

 

僕たちは子育ておいて、子どもの自主性を大事にすることを知識としてわかっている。確かに自主性が子育てに置いて大切なことには変わらない。が、それは「将来のため」でもないし、「それによって開ける人生のため」でもない。そんな間接的なものではなく、直接的に、選択肢というそのものが、「今」感じる幸福度に直結しているのだ。

 

 

選択肢があれば幸福度がアップするのだ。

 

 

子育てにおいて、子どもの自主性を重んじることは難しい。これは、どんな家庭にも言えること。どんな優しい親のいる家庭にも言えることだ。子どもは自分たちから生まれてきたものだろうし、自分たちよりも能力が劣っているし、経済的にも親に依存している。そんな状況では、親が子どもに対して行動を制限することが当たり前に行われている。どんなに「自分は子どもの自主性を大事にしている」と親は言っても、実際にはどんなに大目に見ても「他の親と比べていくらかマシ」程度だろう。親というのは子どもに対して怒りやすく、自主性を制限しがちなのだ。

 

 

そんな時に思い出してほしい。「怒ってしまって失敗したな」という時にこそ、思い出してほしい。どうすればリカバリーできるのか。どうすれば怒ってしまった失敗を帳消しにできるのか。それは子どもに選択肢を与えることなのだ。

 

 

自主性は、それだけで子どもに幸福を与えるものだ。子育てにおいて自主性を重んじるのは、「選択肢」という今現在の幸福のためでもあるのだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

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