違和感とはどんなものなのか
この世界、この組織に入った人は、「違和感」を学びます。「しっくりこない感じ」のアレです。「変だな」「何でだろう」というふとした、さざ波です。何に対する違和感かというと、日常に対する違和感です。何のためにかというと、日常に隠れている犯罪を見抜くためです。
朝の通勤時、電車の駅やバスの停留所などから作られる人の流れ、その中の会社員、女性、子ども、子連れの人、朝帰りの人、学生。
交差点で信号待ちをしている車、コンビニに入ろうとする車、駐車場から出ようとする車、追い越しを掛けるバイク。
夜の飲み屋街で立っているいつものキャッチ、大学生の集団、会社員の集団、カップル。
それらの中にいつもと違うものを感じる敏感さを覚えることを教えられるし、そんな目で周りを見ながら日頃過ごすのです。
違和感なんてのは、とても曖昧なものです。一瞬だけ頭をよぎってすぐに消えてなくなります。後で思えば違和感だったのかと思うものもあります。日常を見ていて「変だな」というハッキリした違和感を覚えることなんてありません。気をぬくとすぐに闇の中に消えてしまうような曖昧さです。日常の中の違和感は、そんな透明で無味無臭なんです。
そんなすぐ消えて無くなるような曖昧なものを、見逃さないように意識して仕事をしています。スルーしてしまわないように。行動に移せるように。うまくとらえて離さないように。違和感を持ったものに対して「なぜそうなのか」を確認できるように。
にもかかわらず、この組織の人たちは、自分たちの組織の中の違和感には本当に無頓着です。普段、一歩外に出れば「違和感、違和感」と言っているのに、自分たちの足元ではとても無頓着な仕事ぶりです。
上位解脱、事なかれ主義、各種ハラスメント、不衛生、本音と建前、ワークライフバランス、思いやり。組織の中の「あれ、変だな」と思う全てのことを、見事にスルーして仕事をしています。
本当は気づいているのかもしれません。組織の中の誰もが、自分たちの風紀に違和感を感じているのだと思います。だけど「事なかれ主義」な手前、何事もなかったように仕事しているのです。皆んなが待っている、一番大好きな報告は「異常なし!」です。
中のことにしろ外のことにしろ、違和感には敏感になりたいものです。そこに何かできるものがあるはずです。手を加えられる機会があるはずです。
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