非行の原因・「いじめ」はなぜ家族に言えないのか
いじめを受けている子どもは、その事を家族には言えません。それはプライドがあるからです。強がっているからです。「いじめを受けている」という格好悪い事を、身近な存在である家族に知られることは、当人にとっては絶対に避けねばならないことなのです。
もしかしたら、いじめている人間から脅されて言えないと言うのもあるかもしれません。「誰にもチクるなよ」とか「誰にも言うなよ」といじめを受ける際に言われて、助けを求めることができなくなるのもあるのかもしれません。
ですが、それは二次的な理由でしかありません。一番大きな理由は、やはり「いじめられている事を認めたくない」「自分が情けない人間である事を誰にも知られたくない」と言うプライドによるものなのです。
「自分がいじめられている」と人に助けを求める事は、非常に大きな壁です。人に言うことで、自分がいじめられている事を認めることになるからです。いじめられている間、当人には「いじめられている事を認めたくない」「これはふざけているだけだ」「本当は俺らは仲がいいんだ」と言う思いがあるのです。そうすれは、「いじめられている」というのは勘違いだと思うこともできるのです。
以前、いじめられているという子どもの話を聞きましたが、その子どもはいじめられている状況を話し始めた瞬間、目から大量の涙をこぼし始めました。いじめから目を背けていたので、状況を話すまでは泣かずにいられた様です。周りの家族から言われ、「いじめについて話すぞ」とその子どもが心に決めた途端、目から大量の涙があふれました。と同時に、いじめの状況をありありと話し始めました。本当はずっと誰かに話したかったのだと思います。
いじめを家族に言えないのは、強がりによるものです。いじめから目を背けることが、いじめられている当人を支えているのです。
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