自己PRで人生の羅針盤を手に入れる 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
「自己PRをすることは、人生の羅針盤を手に入れることになる」というのが著者の主張です。
100の力を持っている人が、やりがいのある仕事を手に入れようとすると、「150の力がある」と宣言しなければなりません。
人は自分の能力リミットよりも若干ハードルが高い仕事の方がやりがいを感じますし、周りの人は仕事をまわす際にその人のリミットよりも若干ハードルが低い仕事を回すからです。
100の力を持つ人は120の仕事をする時にやりがいを感じるでしょうし、周りは150の力があると言っている人に、120の仕事をまわすからです。
100の力しかなくても「自分は150の力がある」と宣言してしまえばいいんです。そこで回ってくる120の力が必要な仕事をこなすからこそ成長し、やりがいを感じるのです。宣言したからには、その方向に進むしかありません。
自己PRで「自分はこんなことができる」と宣言すれば、あとはその方向に進むしか道は残されません。「自己PRで宣言した方向に進むしかなくなる」ことを、「羅針盤を手に入れる」というのだと思います。
さらに著者は、成長を加速させるには「行動を決断しなければならない」とし、思っているだけの時間・気づいてから行動するまでの時間、を短くすることが必要だとしています。
何かを決断することは捨てることを伴うことなので、「保留にしない」「ドタキャンしない」「リスケしない」という心構えが常日頃から必要だと説きます。
今、社会からは正解がどんどん無くなっています。万人に共通の答えがなくなり、ここそれぞれに答えが違ってくる時代です。それも時間とともに変化する様な答えなので、一週間前の答えと一週間後の答えが合っているかどうかわかりません。
正解がなく、どこに向かって進んだらいいか見えにくい世の中になっています。自分はどんな人間なのか、自分は何がしたいのか、自分はどこに向かうのか。そんなことを見つけるヒントを、本書からぜひ読み取っていただきたいと思います。
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