相手を動かす自己PRには軸がある 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
本書は、「自信」とともに「ブレない自分軸」を持つための本です。自己PRコンサルタントである著者の第四弾で、今回は自分軸の作り方について書かれています。前回に引き続き、相変わらず著者の思慮深さが際立つ内容に仕上がっています。
自己PRには、7つの要素が必要と著者は説きます。
・価値観
・信念
・自身
・ターゲティング
・キャッチコピー
・ブランディング
・伝え方
このうち、価値観、信念、自身の3つの流れが、強靭な自分軸を作り上げるもの、というのが著者の主張です。ターゲティング、キャッチコピー、ブランディング、伝え方、には相手が必要なものです。それに対し、価値観、信念、自身は、自分を知って自分を理解するためのものです。
自分自身の「価値観」を明確にして「信念」を練り上げる。そして思っているだけではなく声に出していい続け、行動し続けることで初めて「自信」が生まれる。この流れが、著者の言う自分軸になります。
自信を生み出すには続けることが必要になるのですが、「やる」と決めてもすぐに挫折してしまう人は多いと思います。そこで著者が勧めるのが、「新しいことをやったら、必ず挫折する」ことを認識しておくことです。挫折したらやり直すことを著者は推奨しています。
考えてみれば、何も恥ずかしいことではありません。自分自身にとってみれば、一度は挫折したことかもしれませんが、他の人から見れば、そんな細かいことは気になりません。はたから見れば続けていることになります。そのくらいのゆるい気持ちで無ければ、新しいことを続けることは難しいのでしょう。
本書には、著者が自己PRについていかに考えているか、という信念が込められているように感じます。それだけ練られた構成となっているのです。自己PRに必要な7つの要素、その関係性、それをいかに手に入れるか、について共感を呼ぶ内容になっています。
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