無知から全ては始まる〜問題解決のジレンマ

2018.10.26 (金)

 

全ては無知から始まります。正確には、無知だと知ることから始まるんです。「認識」には3つの領域があると言われています。 まず「知の知」です。これは「知っていると知っている」。例えば「私は、自分の名前が千葉とうしろうである事を知っている」とか「私は自分がどこに行くのか知っている」とかです。

 

 

で、その外側に広がるが、「無知の知」と言われるものです。これは「知らないことを知っている」というもの。例えば「私には、理系の知識がないことを知っている」とか「私には友達がいないことを知っている」とかです。

 

 

で、その外側にはもう一つの領域があるんです。「無知の無知」と言われる領域で、「知らないことすら知らない」です。知らないことの認識すらない状態です。ここには、何がどのくらいあるのか、自分では分かりません。だって認識がないんですから。

 

 

この認識がない状態を意識しておくこと。「自分には知らないことがあるんだ」「自分には見えていない世界があるんだ」「自分には分かっていないことがあるんだ」って意識しておくことが大事です。

 

 

この感覚を、人は忘れがちです。特に自分とは違う価値観を持つ人間が現れた時にです。すぐに「あいつは常識がないなぁ」とか「なんで当たり前の事が分からないんだろう」って思います。だけどそんな時にこそ意識して欲しいです。「自分には見えていない世界がある」ってことを。

 

 

そうすれば、「じゃあ相手はどんな世界を見ているんだ」と、相手を理解しようとする興味もわくでしょう。

 

 

それと、この本にはアリとキリギリスの話も載っています。イノベーターのキリギリスと、従来の考え方を持つアリ。「どっちが悪いということではない」と言いますが、やはりキリギリスでありたいものです。

 

 

キリギリスとアリでは、次元が違うんです。アリは水平方向の二次元の動きしかできません。それに対してキリギリスには羽があるので飛べます。三次元の動きができるのです。アリにとってキリギリスは、「どこからか突然来て、いつの間にかまたどこかへ消えていってしまう」という存在です。

 

 

アリは、自分がいる次元にキリギリスが表れた時にだけ、キリギリスの存在を認識する事ができます。それ以外では、アリのメーターを振り切っているので、キリギリスのことを認識できずにいるのです。ですが、アリの巣のような組織の中では、キリギリスは羽が使えません。キリギリスは、アリの巣の論理に従わざるを得なくなるので、キリギリスはその力を存分に使えないのです。

 


 

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非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。

 

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