自粛警察とデモとテロ。犯罪を防ぐには利己心を認めることだ。

2020.08.28 (金)

犯罪を防ぐには優しさが必要だし、他人を思いやる気持ちが必要だと思っている。

 

 

では優しさとか他人を思いやる気持ちとは何なのか。僕は、自分を批判的に見る気持ちだと考えている。

 

 

優しさの反対は、他人に圧を与えることである。「それって間違ってるんじゃない?」「こっちの方がいいんじゃない?」と、自分の意見の押し付けである。

 

 

犯罪っていうのは、この自分の意見の押しつけであることが多い。犯罪の多くは、人と人との間のトラブルであるけれど、トラブルとは相手に譲渡することで防げる。逆に言えば、相手に対して譲渡しないからトラブルになるわけだ。

 

 

相手に譲渡できないのは、自分の意見を押し付けてしまっているから。どうして自分の意見を押し付けてしまうのかというと、相手目線になれないからだろう。相手に譲渡できない人は、自分しか見えていない。自分が唯一の正義で、自分こそが正しいことをしていると信じてしまっている。

 

 

どうすれば自分の意見を押し付けることを回避できるのか。どうすれば自分しか見えていない状況を打破できるのか。どうすれば相手目線になれるのか。どうすれば思いやりの気持ちや優しさを持つことができるのか。

 

 

それは、自分が利己的であることを認めることである。逆説的だけれど、自分が自分しか見えていないことを認識することが、相手目線になる根本原因なのだ。

 

 

たとえば今、自粛警察という運動が流行っている。悪い意味で流行っている。

 

 

世の中ではコロナウィルスが万円しているけれど、コロナウィルスの広がりを抑えるには、行動を制限して移動を自粛することが必要だ。夏休みといえど、遠出することは、コロナウィルスという状況下では控えなくてはならないことになる。

 

 

そこで出てきたのが自粛警察だ。行動を制限しないでいる人に対して、「自粛してろ」と嫌がらせをする。ペナルティーを加えるのだ。逸脱行動をした人間にペナルティーを加える警察に、ネーミングは由来している。

 

 

自粛警察は社会問題になっていて、自粛警察という名の嫌がらせが横行している。地方で都心ナンバーの車が駐車していると、自粛を促す旨が書かれた張り紙を貼られる、といった始末だ。

 

 

自粛警察をする人は、周りが見えなくなっている。自分が正しいと思っていて、自分がやっていることがやりすぎである事に気づいていない。

 

 

正義感に駆られて行動する人はどこにでもいて、たとえばアメリカの暴動なんかは、日本人の僕から見ると、「周りが見えていないんじゃないの?」と思えてしまう。黒人男性が白人警察官から暴行を受けて亡くなったことを皮切りにアメリカ中でデモが相次いでいる。

 

 

デモ隊が通りの店を壊して物を奪ったりする映像が流れているが、当のデモ隊に言わせると、おそらく「自分たちは正義だ」というたぐいのことを主張すると思われる。周りが見えておらず、初めは正義心から始まった自分たちの行動がもはや悪になっていることに気付いていないのだ。

 

 

アメリカに対するアラブのテロもこれに似ている。世界各地で建物を壊し、人をさらい、殺す手段でもって、自分たちの意見を通そうとしている。初めは文化や尊厳を踏みにじられ、生活が困窮し、本当に自分たちが被害者であったのかもしれない。初めはそこに正義があったのかもしれない。けれどテロを始めてしまっては、もはや正義の立場は逆転しているだろう。

 

 

これもおそらく当人に言わせると、「俺たちは正義のために行動している」ということを主張するのではないだろうか。もはや立場が逆転していようと、当の本人たちには見えていない。いつまで立っても自分たちの方が被害者で、正義は自分たちの側にあると信じて疑わない。

 

 

日本の自粛警察、アメリカのデモの暴動、アラブのテロ。どれも優しさとは正反対である。これらの行動に、相手に対する思いやりの気持ちは感じられない。

 

 

これらの行動に共通しているのは、自分たちが正しいとしている近視眼的な発想である。自分たちが正しいと思いこんで、周りが見られなくなっているのだ。「もしかしたら間違っているのは自分たちかもしれない」という考えが持てず、行動を抑制できなくなっている。

 

 

100パーセント正しい選択というのはなく、どんなに相手のことを思っていても、結局は、それは自分が満足感を得るという利己心に他ならない。

 

 

マーク・トウェインの著書で「人間とは何か」というのがあるけれど、これは日本のベストセラー本「嫌われる勇気」のモデルになった本である。「人間とは何か」は、主人公の青年と、哲学者風の謎の老人の会話で話が進んでいく。この本の中で、老人は人間を蒸気機関になぞらえ、「その原動力は利己心だ」と繰り返し青年に説き続ける。

 

 

 

 

確かに人間の原動力は利己心なのかもしれないけれど、「人間の原動力ってたしかに利己心以外ないかもね」と悟った瞬間、そこに優しさが生まれるのではないかと僕は考える。自分を見つめるもう一つの目だ。自分の程度を悟っている人ほど強いものはない。「自分なんて‥」という人に限って、器が大きいものだ。

 

 

犯罪をなくすのに必要なのは優しさや思いやりの気持ちであって、それは自分の程度を知ることで生まれる。自分が自分しか見えていないことを自覚して初めて生まれる。

 

 


 

 

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