海外に飛び出す前に知っておきたかったこと  〜 非行や子育てについて考えるためのブックレビュー

2016.06.06 (月)

この本は、「海外に打って出ること」がライフワークである著者が、海外に飛び出た今だからこそ思う、もっと早く知りたかったことについて書かれた本です。

 

印象的だったのは、「Risk takerする5歳児」の部分です。シンガポールの富裕層の子どもたちが通うインターナショナルスクールの授業の様子を、著者は紹介しています。

 

「世界の富裕層は幼少期からビジネスネットワークをもっている」「小学校一年生の時から30カ国という多様性の中で育つ」に続く章です。

 

5歳児のクラスの中で先生は子どもたちに問いかけるそうです。「Thinkerについて絵を描いてください」「Risk Takerについて絵を描いてください」。これらの言葉の意味を子どもたちに教え、それを連想させる絵を描かせるそうです。

 

描いた後には、子どもたちは自分が描いた絵を掲げ、どうしてその絵を描いたのかというプレゼンをします。なぜRisk taerに対してその絵を描いたのか。なぜそれがリスクなのか。なぜそれをtakeする必要があるのか。

 

なぜそうなのか?なぜそう思ったのか?5歳の子どもに徹底的に問いかけ、子どもたちに自己主張を求めるのだそうです。

 

こうした子どもたちへの問いかけは、毎学年同じようなことを繰り返します。5歳で描けるRisk Takerの絵とプレゼンは、6歳でできるものとは違います。学年が上がるにつれて変化します。毎年同じ問いかけをし、思考を深めるそうです。

 

こんな哲学的な問いなんて、私は社会人になってから意識したくらいで、私の生活にはなかったように思います。「リスクとは何か」「自分は何者か」なんて考えてプレゼンする子どもなんて、レベルが違いすぎます。世界の富裕層との違いを見せつけられた一冊でした。

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