音楽は作れば聞く。文章も書けば読む。知っている人は知っている大量かつ効果的に本を読む方法
「大量の曲を作るってことは、勉強しなきゃいけません」
これは音楽家のつんく♂さんのnote に書いてあった記事の抜き出しです。「凡人が、天才に勝つ方法」という記事に載っていました。
つんく♂さんは多いときで、一年間に100曲から130も作っていたそうです。もちろん、良くなかった曲と良かった曲を混ぜての計算ですが、そんな生活を15年以上続けていたそうです。
「いい曲を作りたい」という理由から、たくさんの曲を作っていたそうです。が、どうしたらそんなにたくさんの曲をつくれるのでしょうか。それにはたくさんの曲を聞くことです。呼吸と同じで、息を吐くには吸わなければなりません。吐き出すだけのものを自分に入れるには、吸うしかないのです。
つんく♂さんは「自分の知識だけでは、絶対に100曲も違うものを作れない」と言っており、ありとあらゆる曲を聞いたそうです。日本の曲のみならず、アメリカやイギリスといった音楽が盛んな国。それだけにとどまらず、音楽が盛んではない国の曲も。さらには今現在の曲だけでなく、過去の曲も調べて聞いていたそうです。
作るには、入れることが必要です。特に大量に物を作ろうとすると、すぐにネタ切れになります。吐き出そうとしても吐き出すものがなければ何も出てきません。なので「世の中にはどんな物があるのか」を勉強して自分の中にデータを積み重ねるのです。
つんく♂さんのように、たくさん吸収しなければならないことは、音楽を作るときだけではありません。何かをつくること全てに言えます。文章を書くときにも言えます。文章を書いてると、「読まなければならない」状況になります。
私は毎日のように文章を書いています。感覚としては、もうすでに冷蔵庫に何も入っていないのと同じです。本当は冷蔵庫に食べ物が入っているのが理想です。買ってきた食材を冷蔵庫に一回入れて、必要なときに取り出す。そうすれば余裕をもって料理を作れます。
けれど料理をする回数が多すぎて、冷蔵庫に料理に使える材料がなにも無いような感じです。ですので慌てて食材を買ってきているのです。
文書を書いていると、「もっと良い文章を書きたい」という気持が出てきます。そうすると、もっと新しい食材を使って料理したくなるのです。もっと新しい考え、自分にはなかった考え、他の人の考えをもって書きたくなります。
そのために本を読みます。ですが本を読んで得た新しい考えもすぐに文章に書いて使ってしまうので、「次々に本を読まなければ」と誰かに追われているように気持ちです。結果、大量の本を読むことになります。読んだ本の数を競争しているわけではありませんが、一年間に100冊ほどです(まだまだ足りませんね)。
私が言いたいのは、「読む」よりも「書く」ことを先にした方がいい、ということです。つんく♂さんも言っているように、音楽を作ろうとすれば必然的に音楽を聞かなければならなくなります。文章を書いていると、必然的に読まなければならなくなります。
道路標識の「一方通行」のようなものです。「音楽を作る」から「音楽を聞く」ことはできるのですが、その逆はできません。「音楽を聞く」から「音楽を作る」ことはできないのです。文章も、「書く」から「読む」に移ることはできるのですが、「読む」から「書く」へ移ることはできません。いくら文章を読んでいても本を読んでいても、「書く」という作業は生まれないのです。
ですので、大切なのは文章を読むことよりも、文章を書くことです。書いていれば、「自然と」あるいは「必然的」に本を読もうとする気持ちも出てきます。
しかも、「書く」ことから出てきた本を読もうとする気持ちは、ただ「読む」だけをしているときとは比べ物にならないほど強いものです。目的意識がある分、自分の力になりやすいのです。
運動をしていても、ただ考えなしに運動するよりも、目的意識を持った方がきたえやすいですよね。「腕の筋肉をつけたい」と思えば、腕の筋トレを重点的にやります。「長距離を走れるようになりたい」と思えば、長距離を走れるような体力をつける練習を重点的にできます。
「書こう」という目的意識があれば、より自分の力になるように本を読めるのです。大量に本を読めるようになります。
それと、読んだ本の中から自分が欲しい文章、表現、考えを探せるようになります。ただ闇雲に出口を探すのではなくて地図を持って出口を探せるようになもので、効果的に目的地に向かうことができるようになるのです。
というわけで、読むことよりも書くこと、という話をしてみました。読むだけの人は読むだけしかできませんが、書く人は読むことと書くこと、両方ができるようになります。勉強とスポーツ両方できる方が、片方しかできないよりもいいですよね。しかも書く人は、読むだけの人よりも、大量に読めるし、効果的に読めます。
もしも本を読む人がいたら、ぜひ書くこともやってみてください。はじめて新幹線に乗ったときのように、世界が広がって楽しいですよ。
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