週末田舎暮らしセッツァー〜男の隠れ家 1月号

2020.12.15 (火)

 

 

「男の隠れ家」という雑誌を買った。

 

 

今回買ったのは紙の雑誌である。電子書籍の方ではない。

 

 

僕は本のほとんどを電子書籍で読んでいる。確かに「頭の中への定着」とか「行間を探る読み方」を考えると紙の本の方が好きなのだけれど、電子書籍にはそれらを圧倒する回転率があるのだ。

 

 

いつでもどこでも気の向いた時に読めて、ポケットに入るスマートフォンに何十冊でも入れておける。深い読み方よりも数に重きを置いて読む。じっくりと腰を据えるというよりも、日常の中に本を浸透させる読み方。どちらが良いということはないのはわかっているけれど、僕はとりあえず数を取る読み方をとっている。

 

 

というのも、本という海があまりにも広すぎるからだ。本屋に行けば読んでみたい本がいくらでも出てくる。「とりあえず目を通しておきたい」程度の本が限りなく積まれている。僕は一年間に100冊前後なので、あと50年生きるとして生涯に読める本の冊数は残り5000冊だ。

 

 

この5000冊という圧倒的な現実感。杭で遊泳区域が決められているかのような限定感。近所のイオン内にあるツタヤ書店には見渡す限りの本棚が並んでいるのだけれど、ここに来る度に5000冊の希少感に追い込まれる気分になる。

 

 

実物の雑誌を持ち歩く

で、基本的に電子書籍で読んで入るのだけれど、いつも持ち歩いているリュックの中に一冊だけいつも紙の雑誌が入っている。最近まではユニクロが発行している「Life Wear」だったけれど、さっき「男の隠れ家1月号」に替えてみた。

 

 

常に紙の雑誌をリュックにいれておくのは2つ理由があって、1つはリュックの補強。僕が使っているリュックはふにゃふにゃしているので、ノートパソコンを入れておくにはどこか心許ない。リュック内のノートパソコンに負担が掛からないように(負担が掛かるのかどうかすらわからないけれど)雑誌なんかを一緒に入れておいているのだ。

 

 

雑誌を入れる2つの理由のうち、もう1つは感度だ。雑誌というのは本と違って一過性のものだと思うけど、一過性だからこそ、そのいっときの社会の雰囲気を映し出すものだと思っている。写真が多いしカラフルで目に留まるので感度を保ちやすい。電子書籍とは真逆の体裁である。

 

 

文字の羅列のみで、しかもディスプレイの中だけでしかない電子書籍はある意味で眠くなりがちだ。抽象的過ぎる。それに対して雑誌というのは、しかも実物の雑誌というのは具体的で、眠気を覚ましてくれる。ゲンカツギ的な意味だけれど、普段は電子書籍ばかりを読む僕が実物の雑誌を持つことで、世の中に対する感度を保っておこうとしているのだ。

 

 

ギャンブラー

この雑誌では「デュアルライフ」が紹介されていたのだけれど、これを読むと「週末田舎暮らしセッツァー」という言葉が思い浮かんだ。どういうことか。

 

 

セッツァーというのは、スーパーファミコンの名作ソフト「ファイナルファンタジーⅥ」に登場したキャラクターである。ジョブは「ギャンブラー」。いわゆる賭博師である。僕はファイナルファンタジーⅥをプレイしていた当時は小学生だったのだけれど、どうしてギャンブラーというジョブのキャラクターがいるのか理解できなかった。

 

 

バトル系・ファンタジー系のゲームであるファイナルファンタジーⅥにはどう考えても似つかないように思えたからだ。他のキャラクターのジョブは「魔導戦士」とか「サムライ」とか「アサシン」とか。この中に連なって「ギャンブラー」だ。どう考えても異色である。

 

 

セッツァーは、敵との戦闘において特殊攻撃はギャンブルだ。サイコロを振ったりルーレットを回したり。効果も博打要素が強い。敵を一瞬で消す効果がある一方、何も起こらない効果もある。敵との戦闘において、1ターン使って「何もない」ことがいかに辛いことか。

 

 

ボス戦などでルーレットを回されてショボい攻撃しかできなかったらガックリだろう。当然のように僕はセッツァーをそれほど使わなかった。ファイナルファンタジーⅥでは戦闘参加メンバーを選べたので、より戦闘向きのキャラクターでゲームを進めていた。

 

 

そんなこんなで時は流れて5年ほど前、ある一冊の本を読んだ。「eに賭ける」である。これはネットビジネス創業者へのインタビュー本。ネットビジネス黎明の時代を駆け抜けた創業者の、ブレイク以前の話が載っている。

 

 

 

 

「本書で紹介する創業者は、なぜこんなにも熱いのか。それは賭けているから。人生の時間をチップに、インターネットビジネスに掛けているから」

 

 

この本に載っていたこの文章が胸を打つ。「インターネットが熱い」「インターネットの時代だ」と胸踊り、その波に乗れるくらいなら人生をも賭ける! と彼ら創業者は走り出したのだ。

 

 

この文章を読んだ時を境に、僕は「賭け」に対する見方が変わった。掛けをどこか非社会的で犯罪者の姿に重ねて見ていたのだけれど、気概を持って走る人のように見られるようになった。

 

 

だから、この時を境にセッツァーに対する見方も変わった。なるほど、ギャンブラーとはいいかげんなジョブではなかったのだ。ギャンブラーとは使えるか使えないかわからないキャラクターではなかったのだ。ギャンブラーとは遊び人ではなかったのだ。志を胸に背水の攻撃を仕掛ける気概のあるジョブ。それがギャンブラーだったのだ。

 

週末田舎暮らしスタイル

で、どうして「男の隠れ家 1月号」を買ってギャンブラーの話になったのかというと、デュアルライフの記事で紹介されていた人たちを見て、「賭けてるなぁ」と感じたからだ。

 

 

「週末田舎暮らしスタイル」というタイトルで、「二地域居住で実現する豊かな暮らし」とサブタイトルがつけられている。

 

 

記事の趣旨としては、おそらくデュアルライフを読者に身近に感じてもらうのがメインだったのではないかと思われる。「案外、低リスクなんですよ」とか「簡単に移動できるんですよ」とか。そんな親密さを前面に出して、「あなたもデュアルライフを!」というのが編集者の意図するところだったのだと思う。

 

 

その証拠に、この「週末田舎暮らしスタイル」記事の後には「注目の空き家バンク」という記事が載っかっていた。「週末の田舎暮らしスタイル」で興味を持った人は、「注目の空き家バンク」に自然と移るのだろう。

 

 

けれど僕は「週末田舎暮らしスタイル」記事を読んで、「かえってデュアルライフには距離を感じた」のが正直なところだ。というのも、紹介されていたデュアルライフの実践例の12例。12人のメンツ。誰もに「人生を賭けて実践をしている」という気概を感じたからだ。

 

 

誰もが自分の生活を自分の趣味に染めている。自分の居住する場所、住む家、家族。僕は読んでいて、「場所や家を自分の趣味に染めるにはあまりにも大き過ぎるし、家族を自分の趣味に染めるにはあまりにも影響が大き過ぎる」と感じた。まだ小学生のような小さい子どもと一緒の写真を載っけている人もいる。この子どもも一緒に住んでいるのだろう。

 

 

これらから僕が感じるのは、実践者の人たちの生半可ではない熱量だ。遠く離れた山奥の土地を選び、大きい家を構え、家族も巻き込んで自分の思いを現実にしている。いくら低リスクだとは言え、いくら通勤圏内だとは言え、このデュアルライフを実践するには多くの不安を抱えているに違いない。

 

 

 

 

不安、問題、苦悩、心労、懸念。淡い緑色の背景に柔らかいフォントで描かれた「週末田舎暮しスタイル」の裏には、僕にとっては背水とも思えるような乗り越えるべき壁が存在しているように思える。

 

 

彼らは賭けているのだ。人生の時間をチップに、デュアルライフに賭けているのだ。週末田舎暮らしセッツァーだ。

 

 

この記事は、編集者から読者への挑戦状なのかもしれない。ある意味、気の利いた心配りだろう。「この記事に載っているデュアルライフ実践者、彼らの気概を真似られるだけの器があるなら、デュアルライフも可能であろう」という。

 

 

彼らにとってはこのくらいのこと、つまり山奥に拠点を構えて、大きい家を買って、家族を巻き込んで。このくらいは低リスクなのだ。「この程度のことを低リスクと思えないようなデュアルライフは実践できませんよ」という記事に僕には読めた。

 

 

自分の趣味を実践するには、思いを実現させるには、人生をチップにした賭けが必要。そんな記事に思えた。

 

 


 

 

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